『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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ついついインドの自然の目薬を買ってしまう、AROUND INDIAの田村です。
インドで一番最初に買った目薬は強烈でした!
ケララ州カヌール。はじめて行った製薬会社直営のアーユルヴェーダ薬局。
オイルなど、いくつかのアーユルヴェーダ薬と共に目薬を買って帰りました。
家に戻って、目薬をさしてみると、なかなか容器から出てきません。
「おかしいなぁ」
と、もう一度ためすと、ドローっとした黒っぽいものが出てきて、ポトンと目に落ちました。
その瞬間、激痛が走りました!!
「キャー、まちがえた!目薬じゃなかったんだ。」
「きっと、うまく言葉が伝わらず、目薬じゃないものを買ってしまったんだ…。」
目を開けられぬまま、手探りで拭きとるものを探しました。
ドローっとした液体は、まつ毛にもこびりついていて、ちょっと拭いたくらいでは取れません。
「あぁ、まちがえちゃった。インドで目が見えなくなったらイヤだなーーー。」
と棚や壁を掴んで、痛みを堪えました。
目薬が沁みて沁みて…、自然と涙が出てきます。すると、ドローっとした液体と涙が混じり、さらりとした液状に変化しました。
目を開けてみたら‥。
あら、スッキリ!!
白目がきれいな色になっていました。
その日まで、目薬はさらっとした液状だと思いこんでいました。
でも、あのドローっとした液体は、アーユルヴェーダの目薬としては正解だったのでした。
よかった✨
そんな強烈体験ではじまった、アーユルヴェーダ目薬との出会いでしたが、その後ドクターから助言をいただきながら、さまざまな目薬を試しています。
AROUND INDIAが試してきた目薬を、いくつかご紹介しますね。
まずは濃度の違いをご覧ください。
写真の、上の2つはさらっとしたタイプ。
下のが、例のドローっとしたタイプ。
数時間後、さらっとタイプ2種は蒸発して跡形もなくなり、下のドローっとタイプは、変わらず残っていました。
エラニールクランブが、一番最初にさした衝撃アーユルヴェーダ目薬です。
基本みんな痛がりますが、ときどき痛くないという方も。
現地では、白内障の初期症状によく用いられます。
友人のひとりが、目に脂肪の塊ができて眼科に行くと、手術で切除するようにすすめられました。
この目薬をさしたら、すぐ自然に取れたそうです。
アーユルヴェーダの伝統レシピに基づく目薬なので、どの薬局・病院でも同じ名前で製造販売されています。
左がNechiyil Ayurveda製。右がArya Vaidya sala Kottakal製。
原料は、カストゥーリマンジャル、トリファラ、甘草、ココナッツウォーター、樟脳、岩塩、はちみつなど。
こちらはサラッと使いやすい目薬です。
ドライアイやPCなどの目の疲れに使っています。
アーユルヴェーダ病院で処方していただきました。
原料は、ニーム、モリンガ、ブリンガラージ、プナルナヴァ、ニルグンディ、ミント、はちみつ、カルダモン、トゥルシなど。
Netramritamは、Arya Vaidhya Salaオリジナル処方の目薬。
赤ワインのような赤紫色。色がついていると、効きそうに思えるから不思議。
色は濃いですが、使い心地は意外にもさらっとしていて沁みません。
結膜炎、目の乾燥やパソコンによる目の疲れなど、日常的な目の癒しにオススメとのこと。
こちらもよく使います。
日が経って乾燥してくると、滓のようなものが出てくるので、早めに使い切るようにしています。
原料は、ロドラ(ハイノキ属)、白檀、樟脳、ヒマラヤザクラ、ベチバー、バラ。
ケララのアーユルヴェーダ病院Nechiyil Ayurvedaのオリジナル処方。
目にオイルが入って、顔がパンパンに腫れてしまったときに処方されたもの。
こちらも水のようにサラッとした使い心地で、目の乾燥など、一日に数回使うと良いとのこと。
目を洗うような感覚で気持ちいいです。
「日本人に人気」だとシャシクマール先生がおっしゃってました。
原料は、ローズウォーター、ニームの葉など。
こちらはKashmir Herbal Remedies社のオリジナルレシピ。
ドローっとタイプで沁みるので、エラニールとちょっと似ているかな。
北インドで手に入れやすい目薬。
視力の低下、白内障、赤み、炎症などに良いそうです。
原料は、蓮のはちみつ、カストゥーリマンジャル、プナルナヴァ、ニルグンディ、ニームなど。
Satya Pharmaceuticalsが30年以上に渡り、目に良い薬草を研究して導き出したという、オリジナル処方の目薬。
北インド・デリーのドクターにおすすめされました。
さらっとタイプで沁みません。
ほこり、熱、煙、排ガス、湿度、乾燥、パソコンやスマホなどによる不調など、目の負担から守り、目のアレルギー、老眼にも良いとのこと。
1日4回2滴ずつ。点眼後は、2分間目を閉じるのが効果的だそう。
原料は、アムラ、ライム、プナルナヴァ、生姜、ブリンガラージ、ニルグンディ、ターメリック、ハリタキ、ビビタキ、長胡椒など。
北インドで人気の大企業Patanjaliの目薬。
とろみ系で、最初はかなり沁みる人が多いです。
AROUND INDIAの印象では、エラニールクランブの方が沁みます。
老眼、目のアレルギー、緑内障、白内障、目のかすみ、網膜色素変性、夜盲などにおすすめとのこと。
原料は、生姜、玉ねぎ、はちみつ、ライムと、沁みそうなものばかり。笑
刺激が強いので、お子様にはローズウォーターを混ぜるようにとのこと。
ちょっと変わり種。
牛の尿もお薬のうち。
もちろん特別に育てられている牛の尿です。さらに、蒸留しているので尿そのものではありません。
カルナータカ州ウドゥピにあるクリシュナ寺院で買いました。
原料は、牛の尿、バラの花、ハリタキなど。
牛の尿という先入観からか、刺激的な感じがしました。笑
こちらはユナニ医学のもの。
容器の形状が変わってます。開け方は次のローズベースと同じです。
ピリッと爽やかな使い心地です。
白内障や、目の元気によく、目を冷やす効果があるとのこと。
原料は、トリファラ、ちみつ、ひまし油、ミントなど。
こちらもユナニ医学のもので、容器の形状が変わっています。
ローズの香りはあまりありませんが、爽やかな使い心地で好きです。
目を冷やす効果、目の疲れを癒やしたり、結膜炎などによいとのこと。
原料は、ローズウォーター、樟脳、ミントなど。
ケララ州のNagarjuna Ayurvedic Groupオリジナルの目薬。
こちらも容器の形状が変わっています。横に傾けて滴下するタイプ。
透明でさらっとしていて目に沁みません。
おつなぎしているケララの病院Greens Ayurvedaで、ドライアイや目の疲れに処方してもらいました。
目の炎症、灼熱感に良いとのこと。などの治療に用いられます。
目を冷やす効果、目の疲れを癒やしたり、結膜炎などによいとのこと。
原料は、ラック、ビャクダン、樟脳、バラなど。
ハチミツをそのまま目薬として利用する方もいます。
写真は、アーユルヴェーダ・シッダ・ユナニを研究する先生のお宅でおすすめいただいた、蓮の花のはちみつ。やはり「目薬として使う」と仰っていました。
ローズウォーターやひまし油、ギーも使われます。
インドで購入する場合は、ドクターが常駐する薬局や診療所で相談して処方してもらいましょう。
最適な目薬、さすタイミングなど、あなたに合わせた方法を教えてくださいますよ。