
「ケララ秘伝 暮らしのアーユルヴェーダ」
伊藤武・田村ゆみ共著
\ 10月10日 発売/
ニームは、アーユルヴェーダの重要なお薬の一つ。神聖な薬木です。
英語:Neem
サンスクリット語:Nimba निंब
和名:インドセンダン(印度栴檀)
学名:Azadirachta indica
ノコギリ状にギザギザした葉っぱが特徴。
葉っぱ、花、樹皮、オイル、種がお薬になります。
薬酒のNimbasavamや、粉薬のNimbadi Choornam、丸薬のNimba kalkaなど、主に皮膚疾患に良いものが多いです。
味は、苦くて、渋さもあります。
インドで本格的なアーユルヴェーダマッサージを受けに行くと、木製の硬くて立派なベッドに寝かされます。(木製でない場合もありますが、古典的なアーユルヴェーダは木製です)
優雅なトリートメントを想像されていた方は、まずこのベッドで驚かれます。
伝統的なベッドは、ニームなど薬木から作られます。寝ることが、すでに治療の一環となっているのですね。
アーユルヴェーダ専用の薬木マッサージベッド「ドゥローニ Droni」とは?
3月にインドを訪れたら、ちょうどニームの小さなかわいい白い花が咲く季節でした。
かわいらしい見た目とは裏腹で、花もしっかり苦いです。
東インド・オリッサ州プリーでは、市場で野菜と並んで食用としてニームの花も売られていました。
オリッサでは炒めて食べることが多いとのことでしたが、南インドの定番スープ「ラッサム Rasam」にもするそうです。
ニームの花のラッサムのレシピ Veppam poo rasam recipe | Tamil new year recipes | Rak’s Kitchen
ニームの枝は、インドでは古来からの定番歯ブラシでもあります。
南インドではあまり見かけませんが、北の田舎や聖地などでよくある風景。
これまでで一番多く見かけたのが、東インド・オリッサ州で少数民族の村々を巡っているときでした。
朝歩いていると、その辺の木から折った枝を口に咥え、ガシガシ歯を磨いている姿を見ることができます。
材料はそこらじゅうにあるので、使い捨てです。
アーユルヴェーダが人気の南インド・ケララ州では、普通の歯ブラシ+自然素材の歯磨き粉(パウダーミックス)という組み合わせを多く見かけます。
歯磨き粉は、薬局・商店・スーパーでも買えますし、自家製の人もたくさんいます。
歯肉を傷つけないよう、きちんと柔らかくすること、無理に力を入れないこと。
アーユルヴェーダ三大古典の一つアシュタンガフリダヤによると、朝トイレに行った後、渋み・辛み・苦みのある枝で歯を磨くように伝えています。
小指の先ほどの太さの枝、長さは指12本分で、まっすぐなものを選ぶこと。噛んで先端を柔らかいブラシ状にする。歯肉を傷つけないように注意しましょう。
枝で歯を磨いてはいけない人というのもいます。次のような症状の時はやめてくださいね。
消化不良、嘔吐、呼吸困難、咳、発熱、顔面麻痺、喉の渇き、口内炎、心臓・目・頭・耳の疾患
枝歯ブラシは、日本のインド食材店でもときどき売られています。
わたしが見つけたものは乾燥して硬くなっていましたが、充分使えました。
手軽にニームの恩恵を授かるには、ニーム配合の歯磨き粉を使うという手もあります。
AROUND INDIAお気に入りの歯磨き粉 auromereもニーム入り。
他にも、甘草、クローブ、歯ブラシの木など、歯や口にいいものがたくさん配合されています。
ここ数年使っていますが、歯医者に定期検診に行くと「きちんと磨けている」とお褒めいただけるので、一役買っているかもしれません。
泡立ちマイルドで、歯磨き後に飲食しても、味覚が変わってしまわないのがすばらしい。
アメリカの通販サイトiherb(アイハーブ)で購入しています。
Auromere, アーユルベーダのハーバル歯磨き粉、甘草、4.16オンス(75ml/117g)
洗顔、爪楊枝、デンタルフロス、シャンプー、石鹸など、いろいろピックアップしてみたので、使ってみてくださいね。
AROUND INDIAオンラインストアでは、ニームの葉のパウダーをお取り扱いしています。
自然の防虫剤として注目されているニーム。ホームセンターでも売られています。
防虫には、ニームオイルを直接塗布するなどの方法と、守りたい植物の近くに苗を置いたり植えたりする方法があります。