『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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リタは、天然石鹸。
木の実なのですが、ぶくぶく泡立ち洗浄力があるので、ソープナッツとかソープベリーとも呼ばれています。
界面活性作用のあるサポニンという成分が含まれています。
大豆やひよこ豆にも含まれているのですが、リタとは違い泡立ちはありません。
リタは、髪や体の洗浄、衣類のお洗濯にも使えます。
天然の殺虫作用で、シラミ駆除にも役立つのだとか。
インドの木の実は遠い存在に思えるかもしれませんね。
でも、昔は日本のお寺にもよく植えられていたそうです。
今も見つけることができます。たとえば、鎌倉の葛原岡神社では境内のムクロジの木の実を使った「むくろじ御守」が売られています。伊豆の多賀神社にも立派な木が生えていましたよ。
また、お正月遊びの羽つきの、羽根の重りとしても知られています。
実は身近なところにリタはあります。
インドでは伝統的に石鹸として用いられてきたリタ。
AROUND INDIAが覗いてきた限りですが、現代のインド人の生活で、洗濯用や洗い物に日常的に使われているかというとNOです。
洗濯機があるお宅では、日本と同じような市販の粉石鹸が使われていましたし、洗濯機がないお宅では、洗濯用固形石鹸や粉石鹸が一般的。漂白剤も使います。
AROUND INDIAにとって、リタとの出会いはアーユルヴェーダ病院ではなく、ハーバルパウダーシャンプーのミーラの材料としてでした。
ミーラには、リタ以外に、シカカイ(Shikakai)緑豆(Green gram)バジル(Tulsi)ベチバー(Vetiver)ハイビスカス(Hibiscus)フェヌグリーク(Fenugreek)がブレンドされています。
多くのナチュラルシャンプーは、洗浄力の高いリタ単品ではなく、髪に良い他のハーブがミックスされています。
そうそう!台湾でも、無患子石鹸をよく見かけました。
パウダー状で売られているリタは、木の実の果肉部分を乾燥させて挽いたもの。
このパウダーに、水を溶けばもう石鹸という手軽さです!
シカカイ、フェヌグリーク、アムラ、ハイビスカスなどをブレンドするのもおすすめ。
ドレッシングボトルに入れて、水入れて、しゃかしゃか振ると驚くほどの泡立ちです。
暮らしのアーユルヴェーダ講座では、ミーラなどのハーブシャンプーを試したり、天然ヘアケア剤づくりもお伝えしているので、ぜひご参加くださいね。
リタパウダーは、AROUND INDIAオンラインストアでお取り扱い中です。
実を一晩水に浸して、軽く茹でればシャンプー液のできあがり!
実を沸騰させて、保温ポットに入れて一晩おいてもOK!
ケミカル洗剤に弱い方という方は、リタを試してみては?
天然系の洗剤を買わずとも、木の実だけで洗えるっておもしろくないですか?
仕上がりも、不思議なくらい柔らか。AROUND INDIAは、ウール製品に使うのがお気に入りです。
※白い服は黄ばむ可能性があるのでご注意くださいね。
古くなったコットンの靴下や木綿の袋などに5〜10個入れて、口をしっかり閉めて洗濯するだけ。
途中で取り出す必要はなく、洗濯が終わったら、他のものと一緒に干せばOK。
数回使って実がボロボロになってきたら、新しいものに交換しましょう。
汚れがひどい場合、下洗いやお湯洗いをしてみて。
手洗いの場合、よく泡立てたソープナッツ液にしばらく浸けおきすると洗浄力がアップしますよ。
昔から、貴金属をピカピカにするためにも用いられてきたリタ。
石鹸液を作ったら、ついでにアクセサリー類も洗ってみましょう!
布を浸して磨いてもOK。
ただし磨いた後は、しっかり水洗いして、乾いた布でよく拭いて水分が残らないようにしましょう。
AROUND INDIAは種を植えましたが、果実収穫の早道には苗がおすすめです。
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しっかり乾燥した実の中に種が入っているので取り出します。
魔法瓶にぬるま湯を入れ、剥いた種を一晩浸けておきます。
翌朝実を剥がすと、ツルンとした真っ黒な種が顔を出しました。
鉢植えに、種を植えました。
一つの鉢に、リタ二個と、シカカイ二個。
リタの芽が一つ出てきました。力強い姿です。
種を割り、芽を出し、尖った葉を広げました。
一年目の冬は室内で過ごすことにしました。
時どき水やり。
気を使わずとも、ぐんぐん育ちます。
リタが、40cmほどに成長したころ、横にもう一つ大きな芽が出てきました。
植えてから約6ヶ月が経っていました。
土が重そうなので取ろうとしたら、それは固い殻でした。
殻が取れると、二枚葉が開いて葉が出てくる仕組みです。
順調に育ち、温かくなったある日、ベランダに出しました。
すると大部分の葉っぱが真っ白に変色してしまいました!
白化現象です。色素が抜けて、向こうが透けるほど薄くなってしまいました。
まだ寒かったのでしょうか…理由はわかりませんが、白くなった葉っぱだけでなく、3日後には他の葉っぱも続々と落ちてしまいました。
鉢の底から根は出ていますが、一気に元気がなくなってしまったので、植え替えは元気になるまでしばらく待ってからにします。早く元気になぁれ。
だいぶ時間が空きましたが、冬には葉を落とし、春になると葉が出てくるというサイクルです。
ある日、カミキリムシが細い幹にがっちりとしがみついていました。
うちに出たのは初めてだったので、ただそこにいるのかと思っていました。
あるとき、リタの根元に木の削りカスのようなものを見つけ、カミキリムシが樹皮を剥いでしまったということに気づきました。元気に伸びてきたリタの、まだ柔らかな樹皮が無くなり、日々葉が落ち、枯れていきました。
カミキリにやられた木は、幼虫がいる可能性があるとのことで、バッサリと切りました。
よかった!新しい葉っぱが顔を出しました。
あぁ、またカミキリムシが登場しました。
右が去年やられて切断したもの。左が今年生えてきた新しい幹です。下の方の樹皮が少し剥がされてしまいました。
今年はカミキリムシと、早々にさよならしました。
がんばれ、リタ!
少々樹皮が剥がされてしまったリタでしたが、がんばって順調に伸びていました。
そんなとき、また立派なカミキリムシが登場…。
今回は、時すでに遅し。新しく伸びた部分も含め、大部分の樹皮が剥がされてしまっていました。
このままだと昨年のように枯れてしまいます。
藁にもすがる気持ちで、人間の皮膚のようにターメリックパックを施してみました。
がんばれ、リタ!
つづく。
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