『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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横浜・綱島のAGMトレーディングで、生薬が詰まった、いかにもアーユルヴェーダ煎じ薬の素といった体の商品を見つけました。
スリランカ人スタッフに尋ねると、「Paspanguwa パスパングワという、スリランカで飲まれているアーユルヴェーダドリンク」とのこと。
風邪や発熱時に、煎じてお茶にしたり、蒸気を浴びたりする
身体の痛み、頭痛、風邪の諸症状、トリドーシャから起こる不調、くしゃみ、鼻水、免疫力アップに良いと書いてある商品もあります。
それでは、原料を見てみましょう。
原料は5種類はいっていたのですが、明記されていたのは、なぜか4種類でした。
Wikipediaによると、5種の原料は、ウェネウェルガタの替わりにThippilli(ティッピリ、Long pepper、長胡椒)とInguru(イングル、Ginger、生姜)が入っていました。
本来の5種は、何でしょう?
2020年にスリランカへ行き、パスパングワを数種類購入しました!
はじめにご紹介するのが、ペインバーム(痛みの軟膏)で知られるShiddalepa社のものです。
Lakpeyawa Teaという名称ですが、パスパングワとも書いてあります。
ティーバッグに入りで、生薬が粉砕されているため長時間煮出す必要がありません。
カップとお湯だけで、すぐ飲めて便利ですね。
Lakpeyawa Teaの原料は、次の5種類でした。
1960年創立Pasyale社のパスパングワ paspanguwaも確認してみましょう。
こちらの原料は7種類!
パス(5)という数字にこだわらなくていいみたい。
作り方は、3カップの水で10~15分煮出す。
大人は1/2ずつ2度に分けて飲む。10歳以下は1/4ずつ4度に分けて飲む。
効能は、風邪の諸症状、頭痛、身体の痛み、くしゃみ、鼻水、免疫力アップと書いてありました。
続いては、Link Natural社のEnriched Paspanguwaです。
サマハンを出している会社で、Dr CTスキャンに処方された薬は、全てこちらの製薬会社のものでした。
こちらの原料は8種類。
作り方は、3カップの水で10~15分煮出す。
飲み方は、大人は1/2ずつ2度に分けて飲む。10歳以下は、1/4ずつ4度に分けて飲む。
パスパングワの原料について調べていたら、次の論文が見つかりました。
Paspanguwa Herbal Formula, a Traditional Medicine of Sri Lanka: A Critical Review
The ‘paspanguwa’ formulation consists of five ingredients, namely Ginger (Zingiber officinale), ‘Pathpadagam’ (Hedyotis corymbosa), ‘Katuwalbatu’ (Solanum xanthocarpum), ‘Veniwalgata’ (Coscinium fenestratum) and Coriander (Coriandrum sativum). In some instances other herbs such as ‘Thippili’ (Piper longum), Thai eggplant (Solanum melongena), Black pepper (Piper nigrum), Wishnukranthiya (Evolvulus alsinoides) and Pawatta (Justicia adhatoda) may also be used.
パスパングワは5つの成分、すなわち、生姜、タマザキフタバムグラ、イエローフルーツナイトシェード、コスキニウム、コリアンダーで構成されています。
いくつかの例では、長胡椒、タイのナス、黒コショウ、アサガオカラクサ、マラバールナッツなどの薬草も使用します。
生薬から、パスパングワを作ってみました。
説明書には、8カップの水が1カップになるまで煮出して飲むと書いてあります。
やかんに水1カップ入れて、お箸などで水位を確認しておきます。
1カップ分まで煮詰めたら完成!
茶漉しなどで濾ししたら完成。
お好みで甘みを足してくださいね。
紅茶のような濃い色の仕上がりになりました。
煎じ薬=苦い、まずいというイメージがあるかもしれませんが、香りも味もマイルドで飲みやすいです。
口にほどよく残る苦味。ほんのりと感じる薬っぽさ。
「味はきつくないけど、おいしくない」という意見もありました。
スリランカ風に、お砂糖やジャガリーを入れると飲みやすくなります。
スリランカのお寺にも売っていました。
生薬の種類は多いですが、パスパングワと呼べるようです。
お世話になっていたお宅で作ってもらいました。
一回で使用したのはザルの1/3〜半量くらい。
ティーポットに注いで、お好みでジャガリーで甘みをつけて。
ご家族みんなで飲みました。
子どもたちは「いらなーい」と拒否していましたが、わたしが先に飲んで「悪くないよー」言うと、一人は恐る恐るチャレンジ。思ったほど悪くなかったみたいでした。
小さい頃に嫌いだったものでも、ある程度の歳になったら平気になってたっていうことありますよね。
パスパングワは、風邪っぽい症状の時の蒸気浴にもおすすめ。
この場合の蒸気浴は、湯気を鼻から吸い込む方法。
詰まっているときや、体の冷たさを感じる時などに試してみてください。
沸騰させて、煎じ薬を作るところまでは、お茶と同じ。
火からおろしたら、頭部を大きなタオルなどで覆い、スチームが逃げないようにして、ゆっくりと吸い込みましょう。
蒸気浴には、ティーバッグや顆粒ではなく生薬がおすすめ。
沸騰状態の熱い蒸気は、デリケートな粘膜を痛める恐れがあります。火からおろして、注意しながらゆっくり吸い込むこと。
頭が重い日に蒸気浴をしたら、かなりスッキリ!
混ぜるだけですぐ飲める。簡単「スリランカのアーユルヴェーダティ「Samahan サマハン」を飲んでみよう!」もどうぞ。