『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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マルマ ヨーガというのは、AROUND INDIAがコラボ講座させていただいている、伊藤武(いとうたけし)先生が生み出した、マルマという急所の概念とヨガを組み合わせたもの。
その言葉自体、伊藤先生が生み出したものなのですが、今やインドや世界で使われており、ここ数年「マルマ」という言葉をヨガインストラクターさん達からよく耳にするようになりました。
その注目されている マルマ 、ケーララ(ケララ)の伝統武術カラリパヤットゥ / kalaripayattuの世界では武術にも治療にも欠かせないものなのですが、AROUND INDIAがその師匠から教わるときは、他の弟子などに聞かれることのないよう診療所の鍵をしっかりとかけて、一対一で教わりました。
私は外国人なので、現地の一般的な教わり方と違いましたが、本来は小さい子は2歳から、武術を通してマルマを急所として身につけていき、その中のほんの一部の弟子が武術と並行して師匠の治療・マッサージ・お薬づくりのお手伝いをすることで、マルマの治療を身につけていくものなのです。
そのカラリパヤットゥ界の3割は、いまだベールに包まれたまま。
そんな秘密のマルマ ですが、日本には、インドでカラリパヤットゥを学び、マルマを体感しながら長年研究してこられた伊藤先生がいらっしゃいます。マルマヨーガのクラスでは、直接学ぶこともできます。
今回先生がまとめられた「図説 マルマ」は、本当にすばらしい本。唯一無二!
この本の完成を知ったら、欲しがりそうな伝統医学に携わるインド人や外国人の顔がたくさん浮かんできます。
サンスクリット原典と解剖学を照らし合わせ特定した マルマ を、一つ一つ詳しいイラスト入りで解説しているので、ツボを知る方は、マルマとの違いを詳しい図解で学べ、マルマを知る方は、ツボとの違いを学ぶことができるでしょう。
急所(断末魔)としてダメージを受けたときの変化に対して、そのマルマを使った癒しの方法は、日常のセルフケアにも役立つはず。
アーユルヴェーダセラピストさんは「シロダーラに働きかけるマルマはどこ?」と調べることもできます。
ヨガインストラクターさんは、チャクラとマルマの関係や「こんにちのYOGAが置き去りにしたもの」を念頭に置いておくと、深く学んでいく上でもきっと役立つことでしょう。
AROUND INDIAとしては、巻末の古典スシュルタサンヒターの身体篇 マルマ 論のサンスクリット語原文からのオリジナル訳もうれしいです。
というのも、インド初訪問時に翻訳のむずかしさを痛感したからです。
ある日、ヨガの先生から古典書の話を聞き、後日購入して先生に見ていただいたら「訳がちがいますね」と言われてしまいました。愕然としました。出だしの一文から訳がまちがっているというのです。本場インドで売られているものだからといって、本物というわけではないんですよね。
広い視野で正しく翻訳されたものは、学ぶ上でとても大切です。
この本を、後世の人たちも手に取ることができるように、ぜひぜひ買ってくださいね。
マルマとは「ダメージを受けると即死に至る臓器、急所」。アーユルヴェーダでは、 マルマ は治療ポイントとして扱われ、その位置は秘伝とされている。本書では、サンスクリット原典と解剖学を照らし合わせ、マルマの位置を特定。また、ヨーガ、アーユルヴェーダ、インド古代武術とマルマの関連性、マルマと混同されがちな経穴との相違点を解説する。ヴェールに包まれたマルマの全貌が今明らかになる……。
ヨーガ、アーユルヴェーダ、アロマセラピー、マッサージ、鍼灸、統合療法を学ぶ人、必携の書!各章概説
図説マルマ|Amazon
第1章「マルマと経穴」では、マルマと鍼灸、経穴を対比しながら、類似点や相違点を解説。
第2章「インド古代武術とマルマ」では、インド古代武術で奥義とされるマルマの知識を取り上げる。
第3章「マルマとアーユルヴェーダ」では、マルマの診断法や治療法など、具体的なテクニックを紹介。
第4章「マルマの解剖学」では、サンスクリット原典と解剖学を照らし合わせながら、秘伝とされるマルマの位置を特定。著者作成の解剖イラストを掲載し、近接する経穴の名称も添えた。
第5章「マルマとヨーガ」では、マルマの知識を踏まえ、西洋化によって歪曲されたプラーナやチャクラなどのヨーガ固有の概念の真の姿に迫る。
巻末には、アーユルヴェーダ三大経典の一つ『スシュルタ・サンヒター』身体篇マルマ論のサンスクリット原文と著者による和訳を掲載。
10月2日には「図説マルマ」解説講座も開催されるそうですよ。