『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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スリランカ・アーユルヴェーダの旅
①「リゾート編:Jetwing Ayurveda PavilionsでDr CTスキャンの診察」
②「リゾート編:Jetwing Ayurveda Pavilions滞在日数と部屋選び」
③「リゾート編:Jetwing Ayurveda Pavilionsのトリートメント」
④「リゾート編:Jetwing Ayurveda Pavilionsの体質に合わせたアーユルヴェーダごはん」
⑤「リゾート編:まとめ」
⑥「国立病院編:Pallekele Provincial Ayurvedic Hospital 」
⑦「伝統医学編:ヘラウェダカマ Hela Wedakama 」|キャンディとアヌラーダプラ
の続きです。
AROUND INDIAのマッサージの先生は、南インド・ケーララ(ケララ)州発祥の武術カラリパヤットゥ(Kalaripayattu)の師匠です。
武術では、体を痛めることが不可避なので、治す・痛めづらくする医術が切り離せません。
カラリについてはこちらをどうぞ>> もう一つのアーユルヴェーダ、伝統武術カラリパヤットゥの治療法
スリランカは、来る前からケーララ(ケララ)と似ているような気がしてなりませんでした。
日本で出会った人々の雰囲気、料理、写真で見た風景、育つ植物が似ているので、医術や暮らしが大きく異なるとは思えませんでした。
きっと、カラリのような武術と医術が存在している(していた)はず!
現地で尋ねると、武術が存在していることはわかりました。
でも、経験者・繋がりがある人・治療について聞いたことがある人が、どうにも見つかりません。
明日はもう、インドへ発つ日。
今回武術を覗くのは厳しいかもしれないと思い始めたころ、ひとりの先生と繋がることができました。
伺うタイミングは、翌日。空港に向かう前です!
良いことは重なるもので、布を買いに入ったショップで、スリランカ武術の写真集を見つけました。
写真を見る限り、かなりカラリパヤットゥと近そうです。
道中、キンマの葉を買いました。
教えに対しての感謝をお渡しするためです。
アンガンポラの道場は、自然素材で作られており、気持ち良い空気がまわる空間でした。
足の裏に触れる土の感触も、高い天井も広さも、カラリパヤットゥの道場とよく似ていました。
太陽と月、そしてブッダを崇めています。スリランカも、月の中にうさぎが見えるのは同じですね。
武器は、木や動物の角も使います。
美しい装飾が施された剣は、腕の長さに合わせてあつらえるのだそうです。
複数のムチをまとめた強力な武器は、大勢の敵と戦うのに有効とのこと。カラリパヤットゥの場合は、一本でもう少し長いです。
イギリス統治時代、アンガンポラ Angamporaは、消滅の危機にあったそうです。
武術のような戦いと直結するものは、統治国にとっては脅威でしかなかったのでしょう。
1817年、Angam Maduと呼ぶ道場を全て燃やすよう指示し、一切の練習を強く禁じました。
逆らった者は足を撃たれ、練習ができないようにされたそうです。恐ろしい…。
表向き、アンガンポラは消滅しました。
アンガンポラの偉大な使い手である祖父・父を持つGuru Karunapalaは、舞踊を隠れ蓑に、秘密裏に続けてきていたのです。
その舞踊は、現在でも古都キャンディのペラヘラ祭りで見られるそうです。
スリランカが独立を果たし、アンガンポラを再び世に送り出しました。
当初、スリランカ人にとっては、古臭い伝統より、外国から入ってきた新しいものの方が魅力だったようですが、外国人が学びに来ると、その空気が変わったようです。
「外国人が学びに来るほど魅力があるもの」という、逆輸入による魅力再発見は、スリランカのみならず日本やインドでもあることです。
ビジネスチャンスを狙う他の武術の人たちも、アンガンポラと看板を掲げるようになり、名前を変えたり、お金で称号を得る悪質な人も現れました。
AROUND INDIAが購入した写真集を確認していただくと、特に悪質として知られているという空手の人や俳優による演技とのことでした。
写真はとても美しく、いかにも伝統を引き継いできた風貌をしているのに、そこには真のアンガンポラはないのが残念でなりませんでした。
一方、この道場に来られたことは、とても運がよかったと思いました。
もし空手家のところへ行っていたら、本物のアンガンポラと繋がることはできなかったからです。
カラリパヤットゥで考えても、古代武術には秘伝がつきもの。
受け継ぐのに適しているか、伝授するタイミングかどうか、師匠は弟子をよく見ています。
もし、人に触れずに深刻なダメージを与える技があって、それを誰かを強く恨んでいるような人に教えてしまったらどうなるでしょうか。
悪いことに利用する可能性がありますよね。
また、多大なエネルギーが必要な技だとしたら、まだ十分に力を付けていない人が行うと、その人自身がダメージを受けてしまうということもあるでしょう。
診療所という形ではありませんが、オイルを使ったマッサージを行うそうです。
オイルは、寝室のクローゼットに大切にしまわれていました。
わたしの頭にも、たっぷり塗っていただきました。
カラリパヤットゥとは異なり、練習の前にオイルは塗らないそうです。
急所であるマルマのケアを行う点は共通していますが、わたしが教わった限り、マッサージの圧や手技はかなり異なっていました。
コロンボのホテルに出張して、マッサージをしていただくことができるそうです。
武術のトレーニングは、道場に通いで受けることができます。
1ヶ月など、まとまった期間、近隣の宿に滞在するようです。
正統アンガンポラの連絡先を記しておきますので、詳細は、Guru Karunapalaの息子さん Thusitha Kumaraさん(+94–445-2510)にご確認くださいね。
名 称 | Angam |
電 話 | Thusitha Kumaraさんの携帯電話 +94–445-2510 |
定休日 | 日曜日・祝日 |
住所・地図 | No.06, Galwala Road, Mirihana, Nugengoda, Sri Lanka 住所からMapを検索して貼り付けていますが、ずれているように思います。必ずアポイントを取り、先方の案内で向かってください。 |