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暮らしのアーユルヴェーダ』
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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AFPBB Newsによると、スリランカで ターメリック の入手が困難になっているとのこと。
ターメリックは、スリランカ料理やアーユルヴェーダの薬づくりに欠かせないスパイスです。
発端は、スリランカ政府による外貨流出の防止。
コロナの影響で、主要産業であった観光による収入が減り、外国に債務を返済するためにお金を国内に保持しておく必要があるのです。
2009年まで内戦状態にあったスリランカは、復興のために、中国から多額の融資を受けました。
コロンボと空港をつなぐ高速道路やコロンボの海岸埋め立てなども、中国によるものとのこと。
融資は返済しなくてはならず、2021年の返済額はなんと45億ドル(約4700億円)!!
コロナを機に、免疫力に効果があるスパイスとして、さらに人気が高まった ターメリック 。
アーユルヴェーダ薬/ヘラウェダカマ薬の製造も増えていたことでしょう。
その状況下で、80%輸入に頼ってきたターメリックの価格が20倍にも高騰してしまったというのですから、影響は計り知れません。
ある医療従事者は、「 ターメリック がこんな大問題になるなんて、考えもしなかった。当たり前のものだと思っていた。今ではターメリックを毎日の料理に使うこともできない」と話した。
スリランカ、ターメリック輸入規制 債務不履行回避のため 写真10枚 国際ニュース:AFPBB News
The Gardianによると、ターメリック に似せて小麦粉に色を付けたものまで登場したのだそうです。ヒドイ!
これにより、国産の安心なターメリックへの需要が高まったのですね。
AROUND INDIAがスリランカで出会った大人たちは、口を揃えて「昔はもっと薬草が見つけやすかった」と言っていました。
スリランカ政府は、減少した薬草の大地を取り戻す活動をしていて、今回もターメリックを国内産にしたいという考えがあるとのこと。
陽があたったのが、内戦時に被害を受けたGonagala村のターメリック農家さん。
価格高騰のおかげで、子供たちに教育を受けさせられるようになったとのこと。この村のターメリックは、牛糞などの有機肥料で育てていて、クルクミンが高濃度含まれているため、料理には少量で足りるのだそうです。
質のいいターメリック。これがスリランカの普通になったらいいですね。
問題は価格。
農家さんの卸価格が乾燥1キロ当たり4000スリランカルピー(約2,160円)、
市場価格が9000スリランカルピー(約4,850円)と、日常づかいには厳しいです。
2020年2月の収穫分では国民使用量の半分を賄えるまでになり、2022年には輸出を見込んでいるのだそう。
こんなに急速に国内産に切り替えられるとは驚きです!
国内産が増えるにつれ、価格も落ち着くことでしょう。
当面の国民のカレーと薬は危機でも、未来の将来のスリランカにとっては好機に思えます。