『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』
近日発売予定
オイルととマッサージの組み合わせによるパワーがすごいからです。
日本でもインドでも、たくさんの人が変化していくさまを目にしてきたので、国や年齢を超えておすすめできます。
オイルの魔法を実感できるお話をしましょう。
カラッカラに乾いた枝を水に浸します。
次に、お日様の力で一気に乾かします。
すると、水がどんどん抜けていってポキッと折れてしまいます。洗濯物がカラッと乾く感じです。
今度は、別の枝をオイルに浸します。
すると、なんと全体が柔らかくなって曲げられるようになります。
オイルから出しても、水と違って長い間乾きません。
乾いてきたら、またオイルを追加すると滑らかさが持続します。
では想像してみてください。
オイルを体に塗るとどうなりますか?
乾燥していた皮膚の滑りが良くなったり、潤ったりしますね。
でも、それだけではなく、先ほどの枝と同じように、体に触れたオイルは体内にも浸透しています。
アーユルヴェーダでは、オイルに浸すとどんな木でも曲がるようになると表現されます。
「木」を「体」や「人」に置き換えて、もう一度読んでみるとワクワクしませんか?
では実際にオイルマッサージには、どんな作用があるのか見てみましょう。
効能とか効果という言葉はわかりやすいのですが、法律上使ってはいけないようなので作用としています。
「よく眠れた」「風邪を引きづらくなった」「目がスッキリする」「しわが薄くなった」「日によって体が違うのがわかる」「痛みが減った」「気持ちが落ち着いた」などの声を耳にします。
オイルはよく浸透します。そのため気を使うべきポイントを覚えておきましょう。
中学生の頃、手を7針ほど縫う小さな手術を受けました。抜糸して包帯を取ると、漫画のようにクッキリと縫い目が残っていました。
当時気に入っていたエンジ色のペンで、ふとその傷跡をなぞりました。
しばらくして手を洗っても消えません。石鹸を使ってもダメでした。
理由がわかりますか?
インクは、すでに皮膚表面ではなく、治りかけの生まれたばかりの皮膚を通って、体内に浸透していたからなのです。
良くないものでも、少量で自分が元気であれば分解できます。問題は起こらないでしょう。
でも、元気でなかったり大量だった場合は、分解しきれず悪い影響が出てきます。
反対に、良いものを使うと、浸透した後、体中に張り巡らされている道(スロータス、シュロータス、管、srotas)を通って、全身のすみずみに届けられるのです。
それと一緒に、それぞれのオイルが持つ作用も一緒に届けられます。
体を温めるものを使えば温まるし、冷ますものなら冷ます。痛みを減らすものなら減らす、体を強くするものなら強くします。
すみずみ届けるためには、もう一つ大切なことがあります。
届けるとき、道に障害物や渋滞があっては、うまく届けることができません。
そのためには、マッサージをすることで外から中の流れを促します。
こすって温めると体の中がポカポカする。これは、外から与えたチカラで中に流れが起きているのです。
マッサージするときは、強くなって欲しい部位や痛みが無くなって欲しい箇所、関節などの複雑な形状のところは念入りにします。
「もっとここに入ってね。ちゃんと届いてね。」
「ここはまだまだ使い続けるからね。ずっと頑張って動いていてね。」
そんなメッセージを届けながら、じっくりと色んな角度からマッサージしてみましょう。
触れて刺激を与えていると、体の方も「ココが痛いよ。ココがこっているよ。」と教えてくれるでしょう。自分の内側と外側が協力するのです。
体にいいオイル=自然のものを使いましょう。
本場インドのアーユルヴェーダ病院や カラリパヤットゥ の診療所では、古典や代々伝わるレシピに基づいて作られたオイルを使っています。
薬草や乾燥した実、根っこや幹、ハチミツや椰子砂糖や、お花など、自然がいーっぱい詰まっています。
でも「それを買いましょう!」とおすすめしているわけではないのです。
これは、現地でもあくまで医療機関でのお話なのです。
ココナッツが生い茂り、アーユルヴェーダ薬局がたくさんある、南インド・ケララ州でも、家庭では料理にも使うココナッツオイルをマッサージに使っています。
マスタードオイルやひまし油など、インドでも土地によって使っているオイルが違います。寒い土地では、ココナッツオイルはすぐに固まってしまいます。
あるスペインの生徒さんは、オリーブオイルで全て賄っていますが、効果をすごく感じているそうです。
わたしたちも、日本で自宅で始めるときは、同じように普段の食事に使えるオイルを使えば良いのです。
でも、忘れてはいけないのが体に良いもの。不純物の入ったものや、何からできているのかよくわからないものは絶対に避けましょうね。
その点を踏まえて、まずはスーパーなどでも手に入る太白ごま油(焙煎していない白色のごま油)を使ってみましょう。
【訂正】2017年5月より、AROUND INDIAがおすすめするごま油は、小野田製油の玉締めごま油になりました。理由は「アーユルヴェーダ自然のお薬4:キュアリングのいらない伝統製法の玉締めごま油」をご覧くださいね。
[kanren id=”2757″ target=”_blank”]黒色のごま油は使わないでくださいね。
ごま油がお肌に合わなかった場合は、ココナッツオイルやオリーブオイルを使ってみましょう。
頭髪には、昔から日本で使われてきた椿油もいいでしょう。
体に浸透する大切なオイル。不自然なものや強すぎるものが入っていないものを選びましょうね。
AROUND INDIAのおすすめする小野田製油所の玉締めごま油は、基本的にキュアリング不要ですが、
ごま油は、加熱処理することで、余分な水分が抜けて触感が軽くなり、浸透力が高まるとされています。
ごま油以外は、基本的に加熱処理は不要です。
小さなお鍋の場合、クッキング ガスマットを敷くと鍋や火が安定します。
必要なのものは、たった3つ。
あると便利なもの。
オイルを入れる容器。AROUND INDIAオンラインストアでは、アーユルヴェーダの本場のベビーマッサージ用のオイルカップをお取り扱いしています。
早速やってみましょう。
まず、部屋が寒いようなら、充分に暖めましょう。
アーユルヴェーダ、特にケララ州では、生まれたときから死ぬまでの毎日をおすすめしていますが、週に2-3回程度できたらとてもいいですね。
でもまずは、お休みの日など時間に余裕があるときからはじめてみましょう。
季節の変わり目や強くなりたいときなどは、頻度をあげます。
シャワー/入浴の前。これはとても大切です。
水が浸透してからは、オイルが入らないのです。
お腹がいっぱいの時、消化不良のときは、消化が最優先!
マッサージやお風呂は、体が楽になってからにしましょう。
風邪を引いているときや、生理中もNGです。入浴を避けた方がいい時は、マッサージも控えましょう。
頭部を洗うときは、温度はぬるめ。
頭頂のウッチーマルマに直接熱いお湯をかけないよう、後ろの首元から頭に向かってお湯をかけましょう。
オイルや体本来の潤いを取りすぎないために、また体に触れるものを負担の少ないものにするためにも、自然のチカラを使って体や髪の毛を洗ってみましょう。
インドの病院で使われているような、ハーブパウダーソープをAROUND INDIAオンラインストアでお取り扱いはじめました!
ひよこ豆の粉(Besan、ベサン)や緑豆の粉も、オイルが落ちます。
緑豆粉は、現地のアーユルヴェーダ薬局でも売られています(特に南インド)。韓国や台湾でも洗浄に使われているそうです。
同じように、洗浄にきなこや節分の豆の粉も使えますが、わたしには脱脂力が強すぎました。
お豆は食べものなので、お気に召さなかった場合でも、お料理や食器用洗剤などに使えるので無駄になりません。
その代わりダマになりやすいので、排水管詰まり予防のためにも薄めに溶いた方が良いです。
ぬかは、たっぷりの油をしっかり落とすには不十分でした。
インドではムルタニミッティ。日本だと、沖縄の海底の泥をパウダー状にした琉球くちゃがおすすめ。
琉球くちゃには髪洗い粉という名前が付いている商品もありますが、頭皮に少し粉っぽさが残ります。
でも、キッチンにも常備しておくと、料理中の手洗いに大活躍します!
ムルタニミッティ、AROUND INDIAオンラインストアでお取り扱いはじめました!
しっかりと、でも手軽に落としたいときは、Auromereの石鹸もおすすめです。
同じくAuromereのシャンプーも、オイルマッサージと相性が良くおすすめ。
ケララでは昔ながらの方法である、ハイビスカスの葉っぱ。
髪の毛を洗うのも、とても気持ちいいですよ。また別の機会にご紹介しますね。
MEERA。はじめて使った2008年から、一度も切らしたことがないお気に入りです。
MEERAについて詳しくはこちら>> オイルマッサージと相性ぴったり!ハーブ粉シャンプー「ミーラ Meera」
Meeraではありませんが、日本でも入手できるハーブパウダーシャンプーを、AROUND INDIAオンラインストアでもお取り扱いしています。使ってよかったものをセレクトしました。
AROUND INDIAの「暮らしのアーユルヴェーダ」講座では、みなさんがセルフマッサージをできるようになっていただきたいので、一緒にためしています。
アーユルヴェーダオイルに触れたり、石鹸以外のもので洗ってみたり。
首・肩・頭・耳・目・全身など、いろんな部位のマッサージをお伝えしています。
生徒さんは、ご自身はもちろん、ご家族とのコミュニケーションに活用されたり、暮らしに沿った取り入れ方をされています。
自分を大切にケアする、とっても気持ちがいいオイルマッサージ。
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