念のため、いくつか手段を用意しましょう
2016年に突然の高額紙幣廃止という、世界を驚かせる施策をとったインド。
その後、急速にキャッシュレス化が進んでいます。
インドではPaytmが一番普及しているかな?
でも旅行者にとってはあまり意味のないPaytm。Paytmのようなキャッシュレス決済は、インド現地銀行口座を持っている人でないと利用できないものばかりなんです。
一般的に旅行者にとってのキャッシュレスは、クレジットカードだと思いますが、インドではまだクレジットカードはあまり一般的ではないのです。
10年ほど前のことですが、製薬会社の社長さんでさえ「クレジットカードを作るのは簡単ではない」と言っていました。
たくさんの現金を持ち歩くのはコワイので、AROUND INDIAは国際キャッシュカードをメインに3種類の方法でお金を用意しています。
- 国際キャッシュカード・デビットカード
- クレジットカード
- 現金
ひとつひとつご紹介しますね。
1. 国際キャッシュカード/デビットカード
国際キャッシュカード (インターナショナルキャッシュカード)とは、日本の銀行のキャッシュカードそのままで、海外ATMで口座から現金をおろすことができるもの。
デビットカードとは、ATMでの引き出しだけでなく買い物の支払いにもクレジットカードのように利用できるもの。
年々デビットカードの割合が圧倒的に増えているので、今後国際キャッシュカードは消えるかも?!
セキュリティ上、日本にいるときは、海外ATMでは引き出せないように設定しておくと安心です。
ただ、いざ現地に着いた時に「おろせない!」と焦ってしまうケースもあるので、日本出国前に、海外ATMで引き出せるように設定を変更しておきましょう。
安全性も高い
紛失したら銀行口座が空っぽになるまで引き出されてしまう?
いえいえ、それは大丈夫です。
インドの場合、一日のATM引出上限が基本1万ルピーなので、一日で停止できれば最大でも1万ルピーの損失で済みます。
どこの銀行のカードがおすすめ?
いくつかの銀行をピックアップして、手数料を調べてみました。
これまでは新生銀行、これからは?
AROUND INDIAがアーユルヴェーダ・インド個人相談でも、長年おすすめしてきたのは新生銀行でした。
セブンイレブン、ゆうちょ、ファミリーマート、ローソンなど、多くの国内ATMの手数料が無料で、日本でも海外でも使い勝手が良かったからです。
でも、それは過去のお話。2018年12月8日をもって、海外ATMでの利用ができなくなりました。残念!
参照:「海外ATM引き出し」サービス終了に関するお知らせ | 新生銀行
新生銀行によると、今後海外で利用するにはアプラス社のプリペイドカードGAICA(Flex機能付き)を発行しなくてはならないとのこと。
GAICAは、プリペイド型のクレジットカード。
事前にチャージした金額をおろすことができ、ATMでの引き出しだけでなくVISA加盟店でクレジットカードと同じように使えるというもの。
海外ATMで現地通貨引き出す場合、為替手数料4%+ATM手数料200円/回がかかります。
この手数料は、Flex機能や毎月オートチャージに設定すると無料になるとのこと。
インドの場合、カード毎に一日一回1万ルピーと設定されていることが多いので、1万ルピーを18000円とした場合、4% 720円+インド銀行 300円=約1020円の手数料がかかる計算です。
ジャパンネット銀行
続いてジャパンネット銀行です。
ジャパンネット銀行も、国内で利用しているカードで海外ATMでおろすことができます。
海外ATM利用時は、国内ATMと逆向きにカードを挿入します。
現地で引き出すと、すぐにスマートフォンに通知が来るように設定しておくことができるので安心感があります。
ジャパンネット銀行手数料3.02%、海外出金手数料は無料です。
(現地ATMでの手数料はかかります)
インドの場合、カード毎に、一日一回1万ルピーと設定されていることが多いので、1万ルピーを18000円とした場合、3.02% 547円+インド銀行 300円=約847円手数料がかかる計算です。
参照:Visaデビットカードの海外での使い方|Visaデビットカード|ジャパンネット銀行
人気のソニー銀行
ソニー銀行も、日本でも海外でも使いやすいと評判です。
こちらはSony Bank WALLET といい、海外ではVISAデビットカードとして利用します。
ソニー銀行手数料1.76% / 回+ソニー銀行手数料 216円 / 回+現地ATM設置機関 利用手数料(インドの場合、だいたい200ルピー/回)
インドの場合、カード毎に、一日一回1万ルピーと設定されていることが多いので、1万ルピーを18000円とした場合、1.76% 316円+ソニー銀行 216円+インド銀行 300円=約832円手数料がかかる計算です。
参照:海外利用時の手数料| Sony Bank WALLET(Visaデビットカード)|MONEYKit – ソニー銀行
マイルも貯まる、スルガ銀行ANA支店
スルガ銀行ANA支店のANA マイレージクラブ Financial Pass Visaデビットは、ANA関連だけあり、海外旅行保険の自動付帯やマイルが貯まるなどのサービスが付いています。
一度ロックされるとカード自体の再発行が必要で、海外には郵送不可とのこと。
手数料は、スルガ銀行手数料3% / 回+スルガ銀行手数料 216円 / 回+現地ATM設置機関 利用手数料(インドの場合、だいたい200ルピー/回)
インドの場合、カード毎に、一日一回1万ルピーと設定されていることが多いので、1万ルピーを18000円とした場合、3% 540円+ソニー銀行 216円+インド銀行 300円=約1056円手数料がかかる計算です。
ANAの上級会員になると、日本国内での入出金手数料無料。海外ATM手数料(通常216円/回)も無料です。
一回引き出し1万ルピー(約18000円)とした場合、3% 540円+インド銀行 300円=約840円手数料がかかる計算です。
参照:海外でのご利用 | スルガ銀行ANA支店 | よくあるご質問
イオン銀行
こちらは「借り入れ」になります。
イオン銀行手数料 1.60%+ イオン銀行手数料 1万円以内 108円/1万円超 216円 ++現地ATM設置機関 利用手数料(インドの場合、だいたい200ルピー/回)
インドの場合、カード毎に、一日一回1万ルピーと設定されていることが多いので、1万ルピーを18000円とした場合、1.6% 288円+イオン銀行 216円+インド銀行 300円=約804円手数料がかかる計算です。
参照:海外で利用する|キャッシング | イオンカード 暮らしのマネーサイト
セブン銀行
こちらは「借り入れ」になります。
セブン銀行手数料 3.0%+ セブン銀行手数料 108円 +現地ATM設置機関 利用手数料(インドの場合、だいたい200ルピー/回)
インドの場合、カード毎に、一日一回1万ルピーと設定されていることが多いので、1万ルピーを18000円とした場合、1.6% 288円+セブン銀行 108円+インド銀行 300円=約948円手数料がかかる計算です。
インドで引き出しに使えるATM
AXIS、SBI(State Bank of India)、ICICI、HDFC、Citibankなど、メジャーな銀行のATMは大体使えます。
インドATM引き出しの仕組み
- カードを差し込む
- 読み取られたら、カードを引き抜く
- 手続きをする
カードを引き抜いてから手続きをするため、万が一パスワードを間違えても、カードを吸い取られる心配はありません
現金が引き出せないときは?
ATMの故障、ATMに現金の在庫がない、あなたのカードの海外引出し設定が解除されていない、一日の限度額を超えているなどが考えられます。
1枚だと不安
AROUND INDIAは、以前国際キャッシュカードとクレジットカードを一枚ずつ持っていっていました。
インドでお財布がしばらく行方不明になってしまったとき、現金が手に入らなくてとても困りました。
滞在していたアーユルヴェーダ病院の口座を借りて、Transferwise経由で日本の銀行から送金し、2〜3日で現金が手に入りましたが、これが知らない町を移動する旅の途中だったらと思うと恐ろしいです。
それ以来、ATMで引き出しできるカードも2枚持ちにしています。
予備のカードには、困らない程度のお金を入れておいています。
現在使用しているのは、ジャパンネット銀行とスルガ銀行ANA支店のデビットカードです。
2. クレジットカード
インドでは、意外に活躍の場が少ないのがクレジットカードです。
布の工房、一日貸し切ったタクシー、1週間滞在したホテル、ギャラリー、アーユルヴェーダ病院、マッサージなどのトリートメント、アーユルヴェーダ薬局など、クレジットカードで支払いができないことがしょっちゅうあります。
VISAマークが掲示されていても油断は禁物。
なぜならインド国内で発行されたクレジットカード限定ということもあるからです。
まったくもって外国人旅行者泣かせです。お買物の前に確認してくださいね。
インドではクレジットカードを持っているから安心はないと思った方がいいでしょう。
カード会社別に見ると、一番使い勝手がいいのはVISAだと思います。
ただしAmerican Expressは、ひょっとしたらすごく良いかもしれません。AROUND INDIAは使っていないので確認できないのですが、VISAカードは「インドの銀行が発行したもの」と明記されているときでも、American Expressには書いていない場合が多いのです。ひょっとすると、AMEXなら海外発行でも使えるのかもしれません。
クレジットカードの方が安い
クレジットカードでも、海外ATMで現金を入手することができます。
借り入れになるので、わたしは利用したくないのですが、手数料の面ではお得です。
シミュレーションで確認してみました。
18000円を5回借りて、30日後に一括返済した場合、金利手数料は1,331円。1回につき約266円/回
シュミレーションはこちらからどうぞ>>
上記の手数料にインド銀行のATM手数料(ここでは300円とします)が加算されるので、1回につき約566円手数料がかかる計算です。5回で2830円。
キャッシュカード/デビットカードの手数料は800〜1000円のため、利用回数が多いほど差が開きますね。
3. 現金
どこでも使えて、最も利用度が高いのが現金です。
マーケット、入場券、駅でのチケット購入、オートリキシャ、タクシー、チップなどなど。毎日使います。
日本円の現金を、現地でインドルピーに両替することも可能です。
両替所によってレートの差があるので、旅行者に情報をもらったり、いくつかの両替所を調べてみるといいでしょう。
両替にはパスポートが必要です。
怪しい両替所では、切れた紙幣を混ぜたり、すーっと抜き取って渡す金額を減らしたりするので、目の前で一枚一枚確認しましょう。
インドでは紙幣を確認するのは失礼にあたりません。
田舎に行く人は要注意
田舎にはATMが無かったり、あっても現金が入ってなかったり、故障中ということもあります。
クレジットカードもデビットカードも利用できない店や宿の率も高くなるので、田舎に行く前は必要な現金を用意しておくのがおすすめです。
お財布を開くと、容赦なく中を覗く人もいるので、たくさんの現金が見えてしまわないように注意してくださいね。
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