『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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ケララ州北部の内陸部パラッカド(パーラッカード Pallakad)の織物工房にお邪魔しました。
通りに面した形でショールームがあり、裏手に工房があるのは見えません。
地元の方のご案内なしでは、きっと気づけませんでした。
この辺りは、以前織物工房が立ち並んでいたそうなのですが、近年すっかり数が減ってしまいました。
25年前は5000。今は100。理由はお金が稼げないからだそう。
インドは地域ごとに多彩な布があり、サリーの着方も様々。
ケララ州は白地に金糸が有名です。
今回AROUND INDIAは、工房を拝見して、そちらで織られたケララサリー(セットサリー set saree)を購入したいと思っていました。
でも、お店の在庫として売られているのは機械織り。
工房併設のお店でも、並んでいる商品はほとんどが機械織りに置き換わっていました。
停電が多い場合は、手織りの方が進むでしょう。でも、停電する機会もめっきり減りました。
機械は、均一に早く織ることができます。較べてみると滑らかさが違うのですが、購入するお客さまとしては、どちらの方法で織られたかは気にしていません。
腕のいい職人を雇う必要も育てる必要もなく、規模も拡大しやすく利益も生みやすいのでしょう。
でも、味があったり、この人がこの場所で作ったという空気感をまとっていたり、愛着が湧いて手放せなくなるのは手織り。AROUND INDIAは、そんなところに魅力を感じます。
糸もこちらで用意していました。
自転車を改造した機械。
見た目はすごく簡単そうなのですが、実際にチャレンジすると思うように動かせません。モタモタ。
こちらは、オーダー柄のサリーを織っていました。
好きなデザインのサリーで10000ルピー!
織り機の上部にデザインパターンがあって、織りを進めるとパタパタと動きます。
AROUND INDIA田村も、二種の織りにチャレンジさせてくださるというのですが…。
踏んで通して、棒前に引いて、上から引っ張ってを繰り返します。あぁ、難しい。
変にしてしまわないうちに、職人さんにお返ししましょう。楽しかった。
白地に金糸がメインでも、大まかに色は二種類。
明るい黄色は、南部トリヴァンドラム。オレンジ色は北部。
金糸はSURATから取り寄せているのだそう。
結局手織りではないムンドゥー ウェースティー(set mundu)と呼ばれる、上下別だけどサリーのように見える伝統衣装を買いました。ブラウス生地も購入。
一旦帰宅して、奥様のブラウスを試着。テイラーのラーダクリシュナさんに見本として持っていって、コピーを作ってもらうのです。
もうパラッカドを出るまでに日がなかったので、超特急サービスで、サイドのステッチはその場仕上げ。
ブラウスは明日仕上げて、しかもお隣のお店のおばちゃんが届けてくださることに。
「みんな知り合いだからいいのいいの」という、村中が親戚のような温かさでした。
翌日着付けていただいて、お寺に行きました。
ムンドゥーウェスティーの見分け方は、中央と斜めラインの追加です。
糸から布、布から服へ変化しました。