グナとは、10組の性質のこと
アーユルヴェーダでは、この世界は「重い軽い」のように、相反する質の組み合わせで、10組20種類に分類されています。
重い | 軽い | |
遅い | 速い | |
冷たい | 熱い | |
油っぽい、すべすべ | 乾燥 | |
滑らか | 粗い | |
固体 | 液体 | |
軟かい | 硬い | |
静か、不動 | 動く | |
小さい、微細 | 大きい、粗大 | |
濁った、粘 | 純粋、不粘 |
これらの質を、 グナ gunaと呼びます。
グナ Guna गुण
サンスクリット語で「質」という意味です。
グナの仕組みを知るだけで、生活の中で体調などのバランスがちょっと取りやすくなります。
グナを活用してみましょう
バランスの原則
では具体的にグナの使い方をご紹介します。
アーユルヴェーダの基本②:アーユルヴェーダの分類5大元素・ドーシャとは?でご説明したように、5大元素とドーシャのバランスが崩れると不調になります。
そのためバランスを取ることがとても大切なのですが、ルールがあります。
「同じ性質で増え、反対の性質で減る」
Like Increases Like and Opposites Balance.
【レッスン】バランスの取り方
このルールをうまく活用して、それぞれ持っている性質の反対の性質を用いると、よいバランスへと導くことができます。例えば、
【Q】 冷蔵庫から出した飲みものに、氷を入れると温度はどう変化しますか?
【A】 冷蔵庫から出したときより、もっと冷えます。
【Q】 では、冷蔵庫から出した飲みものを、火にかけたら温度はどう変化するでしょうか?
【A】 今度は、冷蔵庫から出したときより、温まります。
冷たい+冷たい=冷たいが増える
冷たい+温かい=冷たいが減る
【Q】 風邪をひくと、英語でCOLDというように、体の中に冷たい質がいっぱいになります。そんな時、冷たいアイスクリームを食べたらどうなりますか?
【A】 冷たい質が増えてしまいます。
風邪を引いたときは、体を温めたり、温かいものを摂ったりする方が良いのです。
シーソーと同じです
それぞれのグナのペアが、シーソーのように、左が上がれば右が下がり、右が下がれば左が上がるようになっています。
両方のバランスが取れた状態(ニュートラル)がベストですが、偏りを感じたらこのように対処してみましょう。
- 上がっている方を下げる
【例】寒くて冷たくなった体を温めるために、温かいお風呂に入る。温かいものを飲む。 - 下がっている方を上げる
【例】寒さの原因を減らす
強引に変えると反発!?
何でも「○○過ぎる」というのは体によくありません。
冷たい質を早く追い出したいからといって、熱湯などを摂っても、突然冷たい質が消えるわけではありません。
それどころか、急激な変化は負担が大きくなります。
少しずつ温かい質を増やしましょう。
細かいことを覚えなくても、生活の中で使うときは、気付く→対処するを心がけるだけで全然変わってきます。例えば、
- 寒くなってきたら。冷え切ってしまう前に温かい要素を取り入れる
- 乾燥する時期を迎える前に、油を使ってマッサージしておく
- ずっとのんびり動かない状態でだるくなっているから、動く
ドーシャとグナのつながり
ご参考まで、それぞれのドーシャの性質をご紹介しておきましょう。
ドーシャ | 性質 グナ |
---|---|
ヴァータ Vata |
乾燥、軽い、冷たい、粗い、鋭敏、流動的 |
ピッタ Pitta |
やや粘性、鋭い、熱い、軽い、悪臭、不安定、液状 |
カパ Kapha、カファ |
粘性、冷たい、重い、遅い、なめらか、粘着性、安定、動かない |
次は、アーユルヴェーダの6つの味の分類「ラサ Rasa」についてご説明します。アーユルヴェーダの基本⑤:6つの味ラサとは?
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