『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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アーユルヴェーダでは、この世界は「重い⇄軽い」のように相反する質の組み合わせであると考えます。 質は、10組20種類に分類されています。
重い | ⇄ | 軽い |
遅い | ⇄ | 速い |
冷たい | ⇄ | 熱い |
油っぽい、すべすべ | ⇄ | 乾燥 |
滑らか | ⇄ | 粗い |
固体 | ⇄ | 液体 |
軟かい | ⇄ | 硬い |
静か、不動 | ⇄ | 動く |
小さい、微細 | ⇄ | 大きい、粗大 |
濁った、粘 | ⇄ | 純粋、不粘 |
これらの質を、 グナ gunaと呼びます。
グナの仕組みを知るだけで、生活の中で体調などのバランスが取りやすくなります。
では具体的にグナの使い方をご紹介します。
アーユルヴェーダの基本②:アーユルヴェーダの分類5大元素・ドーシャとは?でご説明したように、5大元素とドーシャのバランスが崩れると不調になります。
そのためバランスを取ることがとても大切なのですが、ルールがあります。
「同じ性質で増え、反対の性質で減る」
Like Increases Like and Opposites Balance.
このルールをうまく活用して、それぞれ持っている性質の反対の性質を用いると、よいバランスへと導くことができます。例えば、
Q. 冷蔵庫から出した飲みものに、氷を入れると温度はどう変化しますか?
A. 冷蔵庫から出したときより、もっと冷えます。
Q. では、冷蔵庫から出した飲みものを、火にかけたら温度はどう変化するでしょうか?
A. 今度は、冷蔵庫から出したときより、温まります。
冷たい+冷たい=冷たいが増える
冷たい+温かい=冷たいが減る
Q. 風邪をひくと、英語でCOLDというように、体の中に冷たい質がいっぱいになります。そんな時、冷たいアイスクリームを食べたらどうなりますか?
A. 冷たい質が増えてしまいます。
風邪を引いたときは、体を温めたり、温かいものを摂ったりする方が良いのです。
それぞれのグナのペアが、シーソーのように、左が上がれば右が下がり、右が下がれば左が上がるようになっています。
両方のバランスが取れた状態(ニュートラル)がベストですが、偏りを感じたらこのように対処してみましょう。
何でも「○○過ぎる」というのは体によくありません。
冷たい質を早く追い出したいからといって、熱湯などを摂っても、突然冷たい質が消えるわけではありません。
それどころか、急激な変化は負担が大きくなります。
少しずつ温かい質を増やしましょう。
細かいことを覚えなくても、生活の中で使うときは、気付く→対処するを心がけるだけで全然変わってきます。例えば、
ご参考まで、それぞれのドーシャの性質をご紹介しておきましょう。
ドーシャ | 性質 グナ |
---|---|
ヴァータ Vata | 乾燥、軽い、冷たい、粗い、鋭敏、流動的 |
ピッタ Pitta | やや粘性、鋭い、熱い、軽い、悪臭、不安定、液状 |
カパ Kapha カファ | 粘性、冷たい、重い、遅い、なめらか、粘着性、安定、動かない |
次は、アーユルヴェーダの6つの味の分類「ラサ Rasa」についてご説明します。アーユルヴェーダの基本⑤:6つの味ラサとは?