『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』
近日発売予定
①「リゾート編:Jetwing Ayurveda PavilionsでDr CTスキャンの診察」、
②「リゾート編:Jetwing Ayurveda Pavilions滞在日数と部屋選び」、
③「リゾート編:Jetwing Ayurveda Pavilionsのトリートメント」、
④「リゾート編:Jetwing Ayurveda Pavilionsの体質に合わせたアーユルヴェーダごはん」
スリランカ・アーユルヴェーダの旅⑤「リゾート編:まとめ」の続きです。
ネゴンボのアーユルヴェーダリゾートJetwing Ayurveda Pavilionssでの5日間のトリートメントを終え、次の目的地、古都キャンディーへ!
UBERで、途中ランチを食べたりしながら約5時間の旅でした。
キャンディーでお世話になるのは、神奈川・さがみ野でスリランカ料理屋さん「Royal Green」を営むレスリーさんのお兄さんご一家。
亡くなられたお爺さまが、アーユルヴェーダドクターだったご家庭です。
残念ながら、次の世代には引き継がれなかったそう。
「〇〇のときには、〇〇っていう木を使うんだよ。
(家の外を指差して)あの辺に生えてるよ。
ここからは見えないか。後で行こう!」
でもこんな風に今でも、お爺さまから教わった処方を覚えていらしゃるのです。
小さい頃から手伝ってきた人は、大人になって習った人よりもずっと身についてると感じることがしばしば。
現地の人が利用しているアーユルヴェーダ病院を覗きたいとお願いしていたら、お兄さまのご友人の勤務先をご紹介いただけることになりました。
キャンディ市街から、山を登って病院へ。
到着したのは、Pallekele Provincial Ayurvedic Hospitalという国立病院です。
驚きました!!というのも、ネゴンボからキャンディまで乗ったタクシーの運転手さんが、
「スリランカには、内戦の前からある、重要なアーユルヴェーダ病院が二つある。
ガンパハとパッレケレだ。
スリランカのアーユルヴェーダを知りたいなら、いつか絶対そこに行くべきだよ。」
と強くおすすめされていたからです。
ご友人の医師が出迎えてくださり、一緒に院長室へお許しをいただきにいきました。
AROUND INDIAの活動内容や、スリランカのアーユルヴェーダについて教わりたい内容などをお話しすると、
「なんでも質問してください。
院内もどこでもご覧ください。
ただし患者さんの撮影はしないでくださいね。」
と、お忙しい医師を2名もつけてくださいました。
1977年に設立された病院は、入るとすぐに外来患者さんの待合席が並びます。
(病院業務が終わってから撮影しました)
仏教国らしく、見守るように鎮座したブッダの像。
そして、アーユルヴェーダらしくダンワンタリ神の像も。
待合室をの周りに、外来患者の診察室や調剤薬局がありました。
外来患者用のトリートメントルームには、シロダーラ用ポットやベッド、包帯などの治療道具、オイルを温める道具などの一式がありました。
どれだけ多くの患者さんが治療を受けてきたのでしょう?!
木製のベッドも素焼きのポットも、乾くことなくにじみ出るオイル感。
重病の患者さんには一回の食事が大きく影響します。
食事をチェックするという部屋もありました。
キッチンには、薪の火が炊かれていました。
お茶の時間に配られるのは、甘みのあるハーブティー。
鍼の先生もいらっしゃいます。
シミも消せるとのこと。
韓国式と書いてありました。アーユルヴェーダだけではないのですね。
ユナニ医学由来のヒジャマ(汚れた血液を排出する治療法)もありました。
病院全体に漂う、やさしい空気。
すれ違う医師も看護師も、一人一人紹介してくださるのですが、皆さん穏やか。
「こちらの先生はね、〇〇で、すばらしいのよ」
「こちらの看護師さんはね、患者さんの〇〇をするのが上手でね」
と、尊敬し合っているのが伝わってきます。
ケーララ(ケララ)のアーユルヴェーダ医師たちから、たくさんのスリランカのドクターが、ケーララ(ケララ)に学びに来ていると聞いていたのですが、実際お会いした方の多くはケーララ(ケララ)で学んだと仰っていました。
患者の撮影NGのため、写真でお見せすることはできませんが、体育館ほどの広さがあろうかという大部屋もありました。
空気が通る明るいお部屋。
腰ほどの高さの仕切りで区切られており、一区画に10台ほどのベッドが並んでいました。
それぞれのベッドには、カーテンなどの仕切りがなく開放的です。
部屋は、女性は女性、男性は男性と分けられています。
医師の態度は、患者に対しても同じように柔らかで尊敬が感じられました。
150名ほどの患者ひとりひとりの症状、受けている治療、家族、生活のことなどを交えて話してくださるのです。
歩けない、体を動かせない、強い痛みを持っている、その誰もが目が合うと体を起こそうとし、ニコッと笑って、手を振ってくれる。
スリランカの国立病院で受けるアーユルヴェーダ治療は、基本無料です。
ただし、プライバシーや広い空間が欲しい方には、別途有料の病室も用意されています。
家族と滞在する患者や外国人が利用するそうです。
また、薬や資材などは有料だったり、完全有料の私立の病院もあります。
大部屋の隣には、入院患者用のトリートメントルームがありました。
複数の治療が同時進行していました。
どんな病気で入院しているかと言うと、脳梗塞による麻痺、坐骨神経痛、ヘルニア、鬱、糖尿病、西洋医学の病院で手術を受け腰から下が麻痺してしまった人、顔面神経痛、転倒による骨折などなど。
患者さんのいない施術室を撮影させていただきました。
マッサージに使用する道具。インドではキリと呼ばれています。いろんな布が使われています。
キリについてはこちらをどうぞ>>アーユルヴェーダマッサージの一つ、Kizhi キリとは?
スリランカでは、包帯などの消耗品は患者が持参するのが一般的のようでした。
病院内や外の薬局などで購入した新品を持ってくる人もいれば、金銭的に厳しい人は無理して購入する必要はなく自宅から古布を持参していました。
南インド・ケーララ(ケララ)州では、周囲の薬草を採集してトリートメントをすることが多いです。
スリランカのアーユルヴェーダでも、生の薬草を多用する姿を想像していましたが、パウダーが多用されているようでした。
オイルを塗り、パウダーを乗せ、包帯を巻く。
オイルを塗り、パウダーで擦りマッサージをする。
敷地内には、アーユルヴェーダの薬効のある植物が多数植えられていましたが、治療にはとても足りないとのこと。
病院に保管できる乾燥した原料は無数にありました。
では、生の薬草が必要なときはどうするかというと、患者さんに指示を出して、外で買って持参してもらうのだそう。
外で、生の薬草を手に入れやすいという前提があってこそできることですね。
製薬のところでも、医師から感謝の気持ちが溢れます。
「わたしたちが求めた薬を作ってもらえるって、どれだけすごいことか分かる?!
それがあるから治療ができるのよ。」
Pallekele Provincial Ayurvedic Hospitalの壁には、大きくアーユルヴェーダの4本柱が描かれていました。
医師・看護師・薬・患者という4つの要素が、机の脚のようにバランスよく揃って治療が成功する。4本すべてが重要。
その4本柱が、実際に互いを尊重しているのを至るところで感じました。
その後のスリランカ旅でも、こちらの病院の話をすると「最高の病院」という賞賛を度々耳にしました。
外国人も治療を受けることができます。
ご希望の場合は、病院にメールなどでご連絡くださいとのことでした。
本格的な治療を受けたい方は、下にメールアドレスを載せておくので、直接問い合わせてみてくださいね。
名 称 | Ayurveda Provincial Hospital – Pallekele, Kundasale ආයුර්වේද දෙපාර්තමේන්තුව – මධ්යම පලාත |
電 話 | +94 812 420 541 |
メール | ayurhsptpkl@sltnet.lk |
住所・地図 | Ayurveda Hospital Road, Kundasale, Pallekele, |