都市伝説かと思いましたが‥
衝撃的な話を聞いてしまいました。
アーユルヴェーダのトリートメントで、シロダーラ/ Shirodharaという額にオイルを垂らすものがあるのですが、そこでオイルが使い回しされているというのです!
都市伝説的なものだと思ったのですが、yahoo知恵袋に裏付けるような話が載っていました‥。
アーユルヴェーダで都内でも有名な店舗で数年前まで何年か働いていました。 この業界も初めてだったので、知識も技術も沢山学ばせて頂きましたが、何年たっ ても未だに疑問な事を質問させて下さい。 オイルの使い回しというのは、オイルを使うリラクゼーション業界では当たり前な事なのでしょうか? シロダーラに使用するオイルは、シャンプーなどをしてないお客様の頭に流し、減ってきたら新しいオイルを継ぎ足していくので、何十人というお客様のデトックスされた老廃物だけでなく、汗や皮脂などの汚れ、整髪料の溶け込んだオイルを他の方に使い回しています。
体に使うオイルも、オイルボールに手を入れて逐一塗布しますが、余れば継ぎ足し他の方に使います。 そのオイルも汗や洗っていない足の雑菌など(仮に水虫などの移る疾患を持っていてもオイルボールに手を入れているのでオイルには菌が入ると思います)もセラピストの手を通じてオイルボールには入ったオイルを使い回すという事です。
施術1人に対するオイルの量を考えると、使い回しをしないと利益が出ないかもしれません。 入社当初から疑問に思っていましたが、聞ける雰囲気ではなく、最終的にどうしてもそのオイルを触るのでさえも気持が悪くなってしまい退職しました。 他のオイルトリートメントの会社(シロダーラなど大量には使わない)働く友人からは、どんなにオイルが余ってしまっても、他のお客様に使い回しはしないと言われ、今働いている会社でもしません。
アーユルヴェーダのオイルは本場でも使い回しが普通なのでしょうか? そうだとしたら、いくら効果があっても私は受けたくないと思ってしまいますが、お客様の立場としても私は考えすぎなのでしょうか? オイルを使用する施術者の方、お客様の立場から、どちらもご回答を頂けるとうれしいです。
yahoo!知恵袋
読んでいて気持ちが悪くなってしまいました。
yahoo知恵袋での返答方法がよくわからないので、ここにAROUND INDIAの思いとシロダーラを受ける方へのメッセージを書いておきたいと思います。
まず「本場では使い回しが普通なのでしょうか?」に対してなのですが、これまでわたしが12年間本場で見てきた中で、インドやスリランカの病院や診療所でシロダーラのオイルを他人間で使い回すことはありませんでした。
現地の病院や診療所では、オイルはお薬。
お薬は、患者さんが良くなるために使うもの。
オイルの種類はたくさんあって、ひとりひとりの症状に合わせて医師から処方されたものです。
症状によって、オイルではなく生薬が溶け込んだ牛乳やバターミルクを使うこともあります。
ひとりひとり違うので、ある意味使い回しはありえないのです。
オイルをかけるものではなくて、薬をかけるもの。
Swami Atmachaithanyaは、シロダーラとは「Treatment of pouring medicines over the head to cure diseases located above the neck 頭部に薬をかけて、首から上の病気を治療するトリートメント」と表現しています。
ただしインドのリゾート地にある外国人向けのデイスパなどで、良くないオイルを使っている話などを聞いたことはあります。
インドで受けるなら、医師がいる施設がおすすめ。
シロダーラを受ける目的は?
シロダーラを受けたくなるのは、きっと、リラックスしたいとか、瞑想のような気分を味わいたいとか、何かしら良くなりたいと思っているときではないでしょうか?
良くなりたいときに、他人の(しかも数十人も!)疲れていたり、調子が悪い人たちにかけたオイルを、自分の弱った頭に注がれるなんて‥まるで罰ゲーム。

もし洗面器にお湯をはって、誰かが汚れた顔を洗った後に顔を洗いなさいと言われたら「なぜ、わざわざ汚れたお湯で?きれいなお湯で洗いたい」と思うのが当然です。
自分で選べるなら、わざわざ汚れたお湯を使うようなことはしないですよね。
使い回しは、気持ち悪いだけじゃなくてキケンだと思うのです。
わたしたちの頭の中には、大切な脳が入っている。全身に指令を送っています。そこに良くないものを長時間かけ続けたら、どんな影響を及ぼしてしまうことやら‥。
あるアーユルヴェーダ病院の院長先生は「ビジネスマンが病院を運営するのは良くない」と言いました。
メンツィカンのチベット医は「お金を目的にしたら、医師としての力を失う」と言いました。
代金はもちろん必要です。原料にも手間にも、先生の生活にも設備にも、人件費にもかかります。
ただ、一番の目的をお金にしてはならないという意味です。
オイルの使い回しは、良くなって欲しいという気持ちよりも、お金が優先されてしまっているようで悲しいです。
使い回しできるのは本人限定
本人に限り、使い回し可能です。本人、すなわち一人の人間に対して。
それでも使い回し可能な割合が決められていて、本人であっても全量を使い回すことは禁止と教わりました。しっかりしています。
数千年続いてきたアーユルヴェーダが、これからも続いていくために、使い回ししているサロンさんは、以下の現地の方法を参考にしていただければうれしいです。
【 使い回し例 】一回3リットルのオイルを使う場合
- 1日目 新しいオイル 3リットル
- 2日目 1日目のオイル 1.5リットル + 新しいオイル 1.5リットル
- 3日目 2日目のオイル 1.5リットル + 新しいオイル 1.5リットル
- 4日目 新しいオイル 3リットル
- 5日目 4日目のオイル 1.5リットル + 新しいオイル 1.5リットル
- 6日目 5日目のオイル 1.5リットル + 新しいオイル 1.5リットル
- 7日目 4日目のオイル 1.5リットル + 6日目のオイル 1.5リットル

毎回新しいオイルだと21リットルかかるところ、この方式だと12リットルで済みます。
使い回しOKであっても、汚れがひどい場合、例えば何か混入したとしても新しいものに交換です。
一回一回の期間があく場合も、新しいオイルと違って汚れが変質する可能性があるので、使い回しは控えた方が安心でしょう。
良いシロダーラを受けるためにできること
わたしが客なら、安いほうがうれしいです。
でも「安かろう悪かろう」はイヤで「質がいいのにお得」ならばの話。
シロダーラはマッサージよりもオイルの量をたくさん使うのです。
例えばケララのアーユルヴェーダの老舗Kottakalでは最低1800mlとしています。
南インド・ケララの式のアーユルヴェーダは常にポットを動かし続けるため、シロダーラのときはセラピストを増やせば人件費もアップ。
インドのように連続で7日間で受ける場合は、上でご紹介したように一部再利用できるので一回あたりのオイルコストは下げられますが、日本では一回だけ受ける方が多いので、どうしても高級トリートメントにならざるをえないのです。
わたしがお客さまの立場だったら、極端に安いシロダーラは一番に選択肢から外します。
「価格設定は安くないけれど、使い回ししているケースもあるのでは?」とご指摘がありました。なるほど。
それでは、こんな方法はいかがでしょうか?
気になるお店を発見して、シロダーラの料金は他店と同じくらいの場合、予約時に「オイルは新しいものを使っていただけますか?実は、使い回しているお店があるという噂を聞いたので不安で‥」と伝えてみてはいかがでしょうか?
質問することによって、万が一使い回しているお店だとしても、きっと新しいオイルを使ってくれる可能性が高まると思います。
良いシロダーラが受けられるように願っています。
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