『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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ANAシンガポール行きの便で、2017年10月現在鑑賞できるインド映画は2本でした!
「Ae Dil Hai Mushikil(心~君がくれた歌~ 予告編)」と「PARCHED」です。
まだ観ていないPARCHEDにしました。
説明には、「2015年の映画で、インドの田舎の古い因習から抜け出そうとする女性の話」と書かれてました。
では、予告編をどうぞ。
下の写真は、AROUND INDIAのiphone待ち受け画面にもなっているインド刺繍布。グジャラート州アーメダバードで手に入れました。
この映画は、この刺繍を実際に作り身に着けているラジャスタン州の田舎村Ujhaasを舞台にしたお話です。
はじまりは、バスに乗る楽しそうな二人の女性の場面から。
一人は黒い衣装を身に着けているので未亡人です。
もう一人は、華やかな衣装を身に着けている既婚者。風で頭を覆っていた布がはだけてしまいます。
未亡人ラニは「髪を隠して!」と必死に覆い隠そうとします。
「いいじゃない♩あなたもやってみたら」と誘う既婚者のラジョ。
(髪を隠すのはイスラム教徒の習慣かと思っていましたが、それだけではないようですね。)
情報源: Parched Movie Review & Film Summary (2016) | Roger Ebert
バスを降りて、到着したのは一軒のお宅。家族総出でお迎えしています。
そこに美しい伝統衣装に身を包んだ一人の女性。女性というより女の子です。
未亡人ラニは、彼女を息子の結婚相手にしようと思い、このお宅を訪ねてきたのでした。
ラニの息子は「割引できたか?」と携帯に電話してきます。
一方、若い娘の父は「30万ルピーから40万ルピー」に値上げを告げます。
インドでは、今も多くが親同士が決める見合い結婚です。
決して悪いことではなく、幸せそうに暮らす夫婦もたくさんいます。お見合い結婚がいかに良いものか本人から聞くこともあります。
でも!でも!ここでの嫁を巡る価格交渉は、商取引にしか見えませんでした…。
この映画に出てくる女性たちは、やさぐれた息子を持つ32歳の未亡人ラニ。
ラニの仲良し、アル中の夫からの暴力と不妊で悩むラジョ。
毎年この村にやって来る、村の男性たちが通い詰めるセクシーな踊り子ビジリ。
ラニの家に嫁いできた幼いジャンキ。ショートヘアーに対して浴びせられる罵詈雑言。
村の手仕事をサポートするNGOの代表キションの妻。見た目(民族)が違うため、インド人なのに外国人扱いされ、教育があるために男性をバカにしているとひどい扱いを受けます。
男性が上、女性が下という、はっきりとした構図の村。
青空会議では、男性の長(=全体の長)が、女性の長に発言の権利を与え、「(自分たちの手仕事から産み出される)NGOの収入でテレビを買いたい」と訴えます。
男性の長は「隣村では、テレビが来たら女性がジーンズを履き始めた」といい逡巡します。
これまでの暮らしを守るためには、外部の情報は厄介なものですからね。
情報源: Review: Women in Radhika Apte’s ‘Parched’ Are Bruised, Not Bechari
情報源: Parched: A day before release, PIL seeked ban on the Radhika Apte film | bollywood | Hindustan Times
さて、不妊の女性ラジョは、普段明るく振る舞っていますが、本当は心底子どもを授かりたいと願っています。
外の世界で暮らすダンサーのビジリは「旦那にも検査受けさせたら?」と提案します。
ラジョも、一緒にいた仲良しの未亡人ラニも、これまで制限された情報の世界で男性の不妊の存在を知らされておらず驚きます。
夫に検査をお願いするかと思いますよね。でも暴力夫の反応がコワイです。
なんと、ダンサーのビジリの紹介で他の男性と子作りを試みるのです!!
これまでアル中の夫から暴力を振るわれてきたラジョ。お相手のサドゥ(修行者)のような男性は、足を手で触れ額をつけます。
この動作は、インドでは尊敬を表します…。男性から受けるはじめてのリスペクトに涙が溢れます。
そして妊娠!詳しくは、映画をご覧ください。
バランスが難しい世界だと思いました。
インド人にとっての映画とは、新しい考え方や外の世界を知る教育でもあると聞きました。
同じように、わたしたち外の人間にとっても、知らない世界を知るきっかけとなります。
旅で訪れるくらいでは知ることのできない、幸せと不幸せ。
彼らの手仕事が大好きなAROUND INDIAとしては、「自由になって欲しい」と思いながらも、「伝統をなくさないで欲しい」と思ってしまうのです。自由な世界になると、手間を惜しむようになり、伝統はすごい勢いで消えていきます。
だからといって、その世界にい続けて欲しいと願うのは、家に縛り付け、自分たちの言うことが絶対だと虐げる男性たちと変わらないとも思うのです。
便利、平和、教育。不便、不自由、憧れ。
一度失った者からは、失う前に気づいて欲しいという願いがあり、失う前の者は、不要でいっそ手放してしまいたいと願う。
体や心が一定ではないように、すべてのものが常に変化していて、同じ状態にずっといることができない。
「ちょうどいい」はむずかしい。
いろんなことを考えさせられる映画でした。
そしてこの映画を観た後だからこそ、次回村を訪れた時に感じられることもあると思いました。
とにかく布、刺繍、衣装、アクセサリー、ウォールペインティングなど、手仕事の美しさが最高です。
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