『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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ビリヤニ、ビリヤーニ、ブルヤニ…、いろんな呼び方がありますが、ここではビリヤニとしましょう。
インド式炊き込みごはんです。
AROUND INDIAのインドは、ケララ州北部マラバール地方のカンヌール(カヌール)という町にアーユルヴェーダ留学に行くところからはじまりました。
Kannur Biriyani カヌールのビリヤニは、Tharasssery Biriyani タラシェリービリヤニ、Malabar Biriyani マラバールビリヤニと呼ぶ人もいましたが、実際はカヌールとタラシェリのビリヤニでは、スパイスや調理法などが異なるとのこと。
庶民派食堂のランチは、ミールスという南インドの定食かビリヤニが多く、メニューが豊富なレストランでは、ビリヤニが昼夜問わず人気のメニュー。
フィッシュ、チキン、マトン、エッグ、ベジと種類も豊富です。ムール貝のビリヤニを耳にして調査したところ、意外に不人気でした。カッパビリヤニというタピオカ芋を使ったビリヤニも。
カラリパヤットゥの師匠宅に住み込ませていただいていた時も、お祝い事や人が集まる時などおもてなしに欠かせないビリヤニ。
ギーライス(Ghee rice)という具なしのビリヤニのようなものも絶品です。これにはチキンカレーを合わせたりします。
パンチャカルマで一ヶ月アーユルヴェーダ病院に滞在している間も、ベジビリヤニが度々登場!人参入りやグリーンビーンズ入り、日によって中身が違って幸せでした。
しっとりしていて、小さめのお米で、なんとも言えず好きな味です。
最初のインドでは、これが普通かと思っていたのですが、日本帰国後いろいろなお店で食べるにつれカンヌール(カヌール)のビリヤニはどうも違うらしいということに気づきました。
インドで他の地域で食べても、それがケララ州のコーチン(コチ)であっても味が違うのです。
結婚式の定番メニューでもあるビリヤニ。いくつもの大鍋に大量に作る姿が圧巻です!
こちらはラマダンの断食終了日のご馳走のビーフビリヤニ!
ケララは結構ビーフ食べます。
ケララ出身のインド料理屋さんに、カンヌール(カヌール)のイスラム教徒の結婚式で出るようなビリヤニが本物だと伺いました。ケララの中でも、カンヌール(カヌール)のビリヤニは特別なようです。
電車の中に売りに来たチキン・エッグビリヤニが、とってもおいしかったです。もう一度食べたい。
マサラドーサ発祥の地として有名な聖地Udupi ウドゥピで、ピュアベジに飽きて探したノンベジレストランにて。モスクを探して、その近くでイスラム教徒においしいお店を聞き込むのがおすすめです。
これはまだ現地で試せてはいないのですが、今回ケララで一ヶ月一緒に過ごしていたアーンドラ・プラデーシュのイスラム教徒の友人は、カンヌール(カヌール)のビリヤニが苦手。
その理由は、お米がパラパラしていないこと、使うお米の種類も違えば調理法も違い慣れ親しんだ味とまるで違うからでした。
一緒に外食した時、わたしがアーユルヴェーダ治療中だったのでベジビリヤニをオーダーしようかと思ったのですが(本当はノンベジのにしたかった)ビリヤニのベジなんておいしくないとのことで、チキンビリヤニをオーダー。鶏肉は主に彼が食べてくれました。そしてカンヌール(カヌール)ビリヤニに興味がない彼は、ケララのポロタという層状になったおいしいパンと、アーンドラ・プラデーシュ寄りに辛みをアップさせたマッシュルームマサラをオーダーしていました。
チキンビリヤニは、わたしはとってもおいしかったのですが、彼の地元とはチキンの切り方も全然違い、チキンはピース状にカットされていて通常骨は付いていないとのこと。
マトンは食べる習慣がないそうで、基本ラム肉とのこと。
インド号時代、インドの多くの人は山羊をマトンと呼び、羊はあまり食べられていないと書きましたが、彼の地域では羊のラムが一番好まれるとのことでした。とっても柔らかくておいしいのだそう。
いつか現地に食べに行ってみたいものです。
ビリヤニを食べにモスクの目の前にあるレストランへ。お祈りを終えた人々が続々とやってきました。
チェンナイだけどテランガナ州ハイデラバード式ビリヤニ。お米の色が均一でした。チキングレービーやヨーグルトサラダと共に。辛かったー!!
コルカタではじゃがいもが入るそう。こちらは、お家でご馳走になったビリヤニではなくビーフのタハリ Tahari。調理方法が違うのだとか。聞かずにいたら絶対にビリヤニと思っていたところでした。奥深い!
デリーのビリヤニには玉ねぎが欠かせないのだとか。
詳しくは分かりませんが、「これがデリー式のビリヤニ!」だそう。Chicken Dum Biriyani。
お米はパラパラ。かなり長細いお米でした。
こちらはデリーの老舗レストランにて。アーユルヴェーダ治療後だったのでベジビリヤニにしました。
こちらも長細いお米に、大きめ野菜がゴロゴロ入ってました。
下階がお肉屋さん、上階がビリヤニを量り売りしてくれるお店。わたしが頼んだのはハーフです。
テイクアウトの人も気軽に利用。お隣ウッタルプラデーシュ モダラバド風(ムーラーダバード)式のビリヤニ Moradabadi Biriyani。辛みは意外にマイルドで、オレンジの辛いソースをかけながら。
パンジャブのヒンドゥー教徒の友人曰く、多分周囲に作り方を知っている人は少ないと思うとのこと。
ほとんどお米料理は食べないとのことでした。
ケララのおうちで、「ビリヤニの木、biriyani tree」と呼んでいるものがありました。
ビリヤニの香りがする木?ビリヤニのような見た目の木?いやそれはありえないし、と不思議な気持ちで案内してくれる子どもたちに付いていくと、そこには普通の大きな木がありました。
葉っぱや樹皮を削ると、シナモンのいい香り!!新鮮スパイスがこんなにも身近な存在でした。
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