『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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ケララ州で盛大に祝われるお祭は2つ。
オナム Onam(オーナム ഓണം)とヴィシュー Vishuです。
毎年8月〜9月ごろに開かれるオナムは、ケララ州が採用しているマラヤラム暦で一番最初のチンガム月 Chingam に豊穣をお祝うお祭。
始まりから終わりまで10日間あり、1日目から順に、Atham、Chithira、Chodi、Vishakam、Anizham、Thriketta、Moolam、Pooradam、Uthradom、Thiruvonamと呼びます。
最終日ティルヴォーナムが、最も聖なる日だと考えられています。
おナムは、昔々ケララの王様だったマハーバリ(King Mahabali)が、年に一度地上に現れるのをお迎えします。
各家庭で、玄関前や通り道に本物の花びらで絵を描き、マハーバリをお迎えします。
花飾りをプーカラム(Pookalam)と呼びます。
マリーゴールドがよく使われています。
上の写真は、アーユルヴェーダ病院で学んでいるとき暮らしていた家で、シェアメイトたちと作ったプーカラム。
日に日に大きくしていくんですって。
オナムの時期になると、たくさんの花売りがケララにやってきて、道を埋めつくしていました。
実は無許可の人が多いらしく、警察が来たらパーーーッと布にくるんで逃げていきました。
みんな手慣れたもので、すばやいこと、すばやいこと。
ご近所のお宅にも、プーカラムを見に行きました。
玄関の外、家の中、どのお宅もとても上手!
大学生の息子さんがコンテストの写真を見せてくれました。
どのプーカラムも、花びらで描いたとは思えないほど見事!
学生らしく、モダンで自由なデザインも多かったです。
アーユルヴェーダ病院の受付やお寺にもありました。
2017年、アーユルヴェーダ病院の入り口。
製作用に用意した花びら→10%進んだところ→そして完成!
ショッピングモールCity Centerのホールには、広告を兼ねたプーカラムがありました。
こんなに見事なのに長く残しておくわけではなく、日々、他のお店のプーカラムに変わっていきました。
2017年、コンテストで優勝したプーカラムと準優勝▼
下の写真は、タミルナドゥ州近くの友人が送ってきてくれました▼
サッディヤ(ご馳走)を食べに伺った、古い邸宅で見かけたものとのこと。
Maveli?というタイプで、泥と花とグラシン紙で作られているんですって。
Maveliは、マハーバリ王の別名だったような…。
オナムの最終日のお昼ごはんに、オナム・サッディヤ(Onam sadhyaまたはOnasadhya)と呼ぶ、特別なご馳走をいただきます。
バナナの葉に、並ぶ数々のお料理。
サッディヤ (Sadhya、സദ്യ)とは、
宴会を意味する言葉。バナナの葉に盛られたご馳走を指す。
AROUND INDIAがはじめて食べたオナムサッディヤは、アーユルヴェーダ病院のお薬の先生バラクリシュナンのお宅でのこと。
チキンやイカも入ったノンベジ版。忘れられないおいしさでした。
ケララ料理レシピ本 The Family Cook Book によると、バナナの葉に盛り付けられる伝統料理は25品!
同じ著者の写真付きのレシピブックです▼
2017年「オナムの時にはもうここにいないなら…」と、料理上手な友人が特別にサッディヤを用意してくれました!
前夜から一人で作り上げたとのこと。大変な労力に感謝感謝。
普段は5品くらいしか作らないんですって
あまり作っても残ってしまうし、家族の好きなものが決まっているから。
日本のおせちのシンプル化と似ていますね。
おばあさまと、お嬢さんと一緒に食卓を囲みます。
並べる順番や食べる順番が決まっていて、とても楽しいです。
おばあさまの指示で、最初にバナナとパパドを砕いて、ギーをかけて混ぜたものをいただきました。
ラッサムとバターミルクは、酸味が消化に良いので食事の最後に。
お腹は苦しいけれど、おかわりもしてしまいました。
最後に、ご近所さんが手づくりしたジャックフルーツのハルワもいただきました。
ジャックフルーツの時期になると作る保存食なんですって。
ねっとりとした食感で、甘くておいしいです。
ミルクで溶けばパヤッサム(デザート )になり、常備しておくと便利なのだそう。
ケララ南部には64種類ものおかずが乗るバラサッディヤ(Valla Sadya)というものがあると聞いて衝撃を受けました。
Aranmula Sree Parthasarathy templeというお寺で、Ashtami Rolhiniの前夜にいただくそうです。
Valla というのはボートという意味で、ケララ南部はボートレースが盛んなのだそう。
同じケララでも、各地で文化が異なるのです。
するとカンヌール(カヌール)の知人から、ヨガのみなさんでいただくという70種類のサッディヤのお知らせが届きました!
味見するだけでも大変そう。
でもいつか試してみたいものです。
日本でも毎年ケララ人が集まって、オナムをお祝いしています。
以前は横浜で開催していましたが、今はケララ人も多く暮らす葛西で開催されています。(写真は横浜当時のもの)
2017年の開催は、9月23日(土)。カルチャープログラムは14:00より。
サッディヤは限定されていますが、ダンスなどのカルチャープログラムは一般公開されています。
詳しくは、Nihonkairali ONAM 2017 celebration on Sept 23rdでご確認ください。
2018年8月24日(金)
2019年9月11日(水)
2020年8月31日(月)
Happy Onam!