『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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こんな質問をよく受けます。
「インドって怖くない??」
「女性一人で行って平気なの?!」
AROUND INDIAもインドに行く前は「怖そう」とか「気を許してはいけない」ようなイメージがありました。
インド到着後、1泊目の大都市ムンバイでは「あの人怪しい?盗まれないようにしなくちゃ」と警戒感バリバリ。
日本で取り上げられるインドは、女性の性被害、山道での事故、電車事故、ヨガや宗教の変わった部分、混雑する町、貧困など、明るくない話題が多いので、どうしてもネガティブなイメージが浮かぶ人が多いと思います。
でも!翌日アーユルヴェーダの本場・南インド・ケララ州にあるカヌールという町に着くと、優しい人ばかりで、まるで長野にいるように感じたのです。果たして……
インドは怖い国?それとも怖くない国?
AROUND INDIAは、インド各地を旅するうちに、旅のスタイルによって安全度が左右されることがわかってきました。
治安の良くない場所、ガラの良くない人、夜、お酒、麻薬、露出の多い服装、女性一人、都会、観光地、聖地など
日中、数人で行動、人通りがある場所、露出の少ない服装、お金持ちに見えない服装、現地人のような服装、裕福なエリア、外国人がほとんど来ない田舎など
殺人の犯罪率は、210ヶ国中118位(世界の殺人発生率 国別ランキング)。
日本人がよく行くアメリカの105位より低く、命に関わるような事件は少なめなことがわかります。
どんな場所でも100%安全はありません。きちんと対策しましょう。
滞在国・地域での大規模な事故・事件が発生した場合には、在外公館から緊急一斉メールが発信され、場合によっては安否確認等のための連絡があります。
3月にインド情報の登録してから1ヶ月経ちましたが、これまでに2回、危険が高まった地域の状況や対策などのメールがきました。危険の中には災害情報も含まれます。
アプリを入れておくと、携帯のGPS機能を使って、自分のいる地域周辺の海外安全情報が表示されます。
AROUND INDIAが、いつも利用しているのは損保ジャパンOFFです。
クレジットカードに付帯している保険の足りない部分を補うオーダーメイドプランで加入することができます。
カード付帯の保険は、ケガは充実していても病気はあまりカバーされていなかったり、旅行代金を支払った場合のみ適用されるなど条件が異なるので気をつけてくださいね。
日本から発信される情報は、遅かったり制御されていることもあるので、緊急時は海外メディアのニュースもチェックしてみましょう。
AROUND INDIAがこれまで耳にした事例と、その防御策についてまとめました。
インドにいると、テロ対策を目にしたり、テロの危険性について耳にしたりすることがあります。
ケララでは、遠くの都会の出来事という感じでしたが、都市部では日本よりずっと現実的。お金持ちの家の前に守衛さんがいたり、大きなお寺の前に監視棟があったり、空港のセキュリティが厳しかったり、地下鉄に乗る時は飛行機のように荷物のX線チェックを受けたりします。
テロの起こりやすい場所は、人が集まる場所。
ホテル、巡礼地、お祭、イベント、選挙、空港、駅などが挙がります。
日本の外務省の情報を受け取れるようにしておき、危険度が高まっている地域には近寄らないようにしましょう。
現地のニュースもチェック!
現地で行きたい場所を相談すると、「その地域、最近危ないよ」と近くに住む知人に安全情報を確認してくれることも多いです。
移動まえに、ホテルで話してみたり、情報を探るのもおすすめです。
プライベートガイド(無免許、偽の免許)やその辺で知り合った人が、数日案内して仲良くなったところで飲み物に睡眠薬を入れ、気を失っている間に現金など貴重品を奪う手口。
実際のケース:現金数十万円を盗まれ路上で眠っているところを保護されたなど。
お酒以外に、ラッシーを使うケースも多いそうです。理由は、味が濃くて睡眠薬を入れてもわかりにくいから。
この睡眠薬強盗は、仲良くなって信頼を得た上での犯行が多いようです。
相手を疑うのは良くないという、日本人の優しさにつけこむ方法で、それを相手もわかった上で行っています。
素性を知らない相手の場合は、もらった飲み物は飲まない。
もしくは自分で買う。もし買ってもらうことになったら、「作ってるところ見たい♩」と付いていき、お店やその人の写真や動画を撮っておく。
少しでも怪しいと思ったら、一刻も早く離れるのがおすすめです。
怪しみつつ、断れないことが原因で被害に遭ってしまったら悲しい。お金だけでなく、変な薬の副作用が残ってしまうかもしれません。
また万が一盗まれたときのために、隠し金と連絡先、パスポートのコピーを別に持っておきましょう。
そして、絶対に大金を入れている場所を見せない/教えないようにしましょう!
覗き込まれるケースだけでなく、被害者が教えてしまったというケースもあるのです。
ニセのガイドを頼んでしまわないようにするには、あらかじめ日本で手配したり、きちんとした会社に所属するガイドを手配する、身元が不確実な人を信用しすぎない。
またガイドと一緒に写真を撮る、相手の身分証明書の写真を撮らせてもらう、常に家族などに報告しているように見せる、パスポートの原本はセーフティボックスなどに保管しコピーを携帯する。
これらの防御策は、インド人もやっていました。また、エマージェンシーマネー(緊急用のお金)だと、財布のあらゆるポケット、洋服のポケットなど、あらゆる場所にお札を仕舞い込んでいるのを見せてもらったこともあります。
服の内側にポケットが付いていたり、ファスナー付きの隠しポケットがあったり、現地の人でも警戒は怠らず、肌身離さずに貴重品を持つ工夫がされていました。
狙われてしまったら、きっと避けるのは難しい‥。
だから元から狙われないように、なんとかしましょう!!
京都でインドの友人を案内していたとき、ミニスカートの女子高生が階段を跨ぐように立っているところに遭遇しました。
女子高生を見て「彼女は何をしているんだ?!レイプされても、彼女から挑発したんだから仕方がないと思われる」と言っていました。
彼は、犯罪率の低い南インド・ケララ州出身。外国人の友達も多く、海外にも行っていて、教育も高いです。
レイプされてもしかたがない……そんな風に思っていることがショックでしたが、ケララでさえもそういう認識であることが事実。
日本とは感覚が違うから、誤解されないように気をつけなくてはいけませんね。
インドでよく聞くのは、日本人は男女ともに優しいということ。
笑顔、目を見て話す、話を聞いてくれるなど、すごく優しく感じるのだそう。
日本では「目を見て話す」のは良いこと。
でもインドでは、嫁ぎ先の家族に対しても顔を見せない地域もあるほどで、ただ目を見て話しただけで、好意があると勘違いされることがあるのです。
どうか、日本の性事情を誇張してインド人男性に伝えないでください。
「日本人のトモダチから聞いた」と変な話をしてくる人、セクハラしていいと思っている人、結構多いんです。
露出やスキンシップは控えた方が安心です。
距離を取る。目をあまり見ない。女性に話しかける。
特に調子に乗りがちなのは、酔っ払い、団体、お祭。
人混みや深夜など、女性はできるだけ一人にならないようにしましょう。
女性ひとり旅の場合、家族連れやおばさんの近くにいる(一緒に行動してもらう)のがおすすめ。
現地女性とタクシーに乗った時、彼女はすぐ旦那様に電話で報告。
車内に書かれたID番号を撮るよう言われました。抑止効果が高いそうです。
以前デリー警察の護身術で、触れられたら、目にピンだかなにかを刺すというものをやっていました。
インド人女性は安全ピンを持っていることが多いので、たしかそのピンだったと思うのですが、触れられたら目に刺すというのは、いささか過剰防衛のように思えましたし、相当な勇気が必要です。
でもインド人の女性に、この護身術の話をするとすんなり「それくらいしないとね」という感じでした。
デリーに限りますが、インドの携帯番号をお持ちの場合、デリー警察の緊急通報アプリ「Himmat!」もあります。
緊急時に通報すると、あらかじめ登録した2人と警察に連絡が行くシステムです。
This is a free application highly recommended for women in Delhi launched by Delhi Police.
User needs to register in app after downloading from store to get registration key(OTP) which needs to be entered to complete application configuration. As soon as the user of Himmat Plus app raises the SOS alert from the Himmat Plus App, the location information and audio-video is transmitted to Delhi Police control room. Delhi Police can then immediately send the nearest Police help to the victim.
デリー警察が提供するデリー在住の女性にお勧めの無料アプリです。
ユーザーは、ストアからダウンロードした後、アプリに登録し、登録キー(OTP)を取得する必要があります。Himmat PlusアプリのユーザーがHimmat PlusアプリからSOS警報を発するとすぐに、位置情報と音声映像がデリー警察のコントロールルームに送信される。デリー警察は直ちに最寄りの警察に救助を要請することができる。
寝台列車で服を盗られた人、AC2等(上から2番目のクラス)で寝ている間に荷物をまるごと盗まれたインド人弁護士、家に泥棒に入られたなど。
カラリパヤットゥ の師匠宅には診療所や道場を併設しており、他人の出入りが多いです。
机の上にカメラを置いておいたら「悪い人もいるからしまっておいて」と言われました。
アーユルヴェーダドクターのお宅で開かれた結婚式のときも、写真を撮ろうと荷物を床に置いたら、小学生の女の子に「ちゃんと離さずに持ってた方がいいよ」と教えてもらいました。
あるときは、窓の柵の間から家の中に手を突っ込んで盗もうとする人や、信号待ちの車の窓から手を突っ込んで、盗んでいこうとする強引な輩もいました。
インド人の防御策
電車の中や駅の待合室で仮眠を取る時には、太いチェーンで鍵をする人もいます。
鍵をかける、貴重品を見せない、トイレに行くときは持って入るなど気をつけましょう。
お祭など人混みへ行くときは、貴重品は持っていかず、必要最低限の荷物で出かけましょう。
これは観光地や都会のインドの日常です。
お釣りを少なく渡そうとしたり、高い金額で売りつけようとしたり、最初に言っていた金額から突然変わったりすることがケースです。
堂々としたボッタクリだけでなく、ホテルのマネージャーが精算時にお小遣いを足すというセコい手口もありました。
ボッタクリは観光地で頻発します。ケララ州カヌールではほぼありません。
一番ラクなのは、少額の被害なら気にしないこと。忘れる。
現地の人と同じ価格で、同じサービスを受けるのは不可能だと思っているとラクです。
それにも関わらず、あまりに安い金額を提示してきたら、知り合いのお店に連れて行って手数料をもらうなど、裏に何か収入を得る方法が控えていることが多いです。
高額で悪質の場合は、ツーリストポリスや警察に相談しましょう。
不要なものは、きっぱり断りましょう。
インドは、事故が起きそうなシチュエーションがいっぱい。
「よく事故らないなぁ」と感心してしまう運転技術、クラクションの嵐、突然の動物の横断、穴の開いた道路、未舗装の道、険しい山道。
わたしがこれまで事故を見たのは、一度だけ。それも少し当たったのか、当事者と周りの人が集まってやいやい揉めている状況でした。
でも実際には、インドの事故はかなりの頻度で起きていて、1時間に17人も亡くなっているのだとか…!
2017年4月1日、飲酒運転での事故を減らすために、インドの最高裁判所で幹線道路付近での酒類販売禁止命令が施行されました。
その後、AROUND INDIAがデリーでUberに乗車中、前のUberに追突しました。前の車のバンパーはぐらぐらになっていましたが、加害者である追突した運転手がまくしたてるように文句を言い、何事もなかったかのように運転再開。こちらへも一言もなく、前のUberに乗車中の客も「まいったわね」という表情なだけ。
これは事故としてカウントされていないので、やはり日常的に事故はたくさん起こっているのでしょうね。
旅行中、運転する機会は少ないかもしれませんが、大通りを徒歩で横断することはあると思います。そんな時は、他に渡る人を見つけて一緒に渡ってみましょう!
ただ、渡り下手なインド人もいるので、信頼しすぎないように。笑
乗り込んだオートリキシャやタクシーが、あまりに怖い運転だったら、思い切って他の車両に乗り換えるのも手!
万一のために、海外旅行保険には加入しておきましょう。
インドには、道路に牛がいるのが有名ですが、実は犬もそこら中にいます。寝ていたり、近くを人が通り過ぎても知らんぷりの犬がほとんどなのですが、時々凶暴な犬も。
友人が、早朝のビーチで犬に襲われてしまいました。
噛まれたらすぐ、病院に行き狂犬病のワクチン接種を受けてください。
現地の人は、怪しい犬がいると、石を投げつけたり、殴る真似をして追い払ったり、蹴り上げたりと、襲われる前に容赦ない態度で自分を守っていました。
ペットではありません。全ての犬が温厚だと思わないようにしましょう。
家で飼われているのも番犬であるケースが多く「撫でないように」と言われることが多いです。
海外旅行保険に入りましょう。
乗り込んだリキシャのドライバーから、「そのお店はもう無いよ」「閉店したよ」「そこは高いだけで全然良くないお店だよ」と言われることがあります。
基本ウソです。
この後続くのが「親戚がやっているお店がすごくいいんだけど」「友達のお店で…」「地元で人気」「もっと安くて良いお店を知っている」という他店の紹介。
これは紹介料がもらえるお店に連れていくための手段です。
悪いお店ばかりではないと思いますが、本当に質が良くておすすめしているわけではなく、買ってもらわないことにはコミッションが入らないので、ドライバーも混ざって一生懸命売ろうと画策してくることも。
ひどい時は、偽のお店に連れて行かれることも!
友人にデリーのDilli Haatというクラフトマーケットをおすすめしたら、同名のお土産屋さんに連れて行かれてしまったそう。
数年後、そのお店を発見しました。看板にはDilli Haatと書かれている、大きなお土産屋さんです。きっと今もあると思うので注意してください。AROUND INDIAが行くのは、INAという駅のすぐ目の前にあり、入場料を払って入るマーケットです。
デリーでインド人から聞いた話です。
デリー駅の前には、政府系の看板を掲げた旅行会社が無数に立ち並んでいました。
「実はあれ、基本的に全部ニセモノなんだよ」
あのマークがあると信用してもらえるとのことでしたが、どうして政府はそれを許しているのか不思議でなりませんでした。
デリー駅や駅付近で旅行者に声をかけ、助けるふりをしてチケットを拝見。
「そのチケットは乗れない」と嘘をついてチケットを取り直しさせる手口です。
本当はチケットは有効なのです。
でも取り直しさせることで、「直前だったから高い」「特別なルートで取った」などの理由で高額請求する仕組み。
「チケット取れていないなんて困る!どうやったら行けるの?!なんとかしなくちゃ」と焦る旅行者の心情をうまく利用しています。
チケットには金額が記載されていないことが多いので、1000ルピーのチケットに5000ルピー請求されてもわかりません。よく考えていますね。
チケットはオンラインで自分で取ることもできます。インドのオンライン電車予約が便利に!外国人ツーリスト枠が取れます。
カジュアルなホテルのフロント、ホテルに付属している旅行会社も嘘をつくことがあります。
ツアーなど滞在中の予定を聞いてきます。
申し込み書などを「見せて」とか「確認してあげる」といいます。
見せると「だまされている」「ぼったくられている」「その会社は評判がよくない」などと言って不安を煽ります。
このあたりでチャイが出てきたり、自分こそが信用できる人だと思わせ、新しいツアーを申し込ませます。
「(元々のツアーは)キャンセルしておいてあげる」と安心させるも、実際は連絡しないケースも多いようです。元のツアー会社の人と話しをされるとバレてしまうから、連絡させないために、キャンセルを伝えづらいという旅行者の心情を利用したうまい方法です。
ツアー当日になって、元の会社が心配して連絡をしてきて判明することもあります。
当日キャンセルになっているため、キャンセル料ももう戻ってきません。
元々支払っていたツアー代金(もしくはキャンセル料金)+インチキ会社のツアー代金と、無駄なお金がかかってしまいます。
インチキ旅行会社は、あなたにインドを好きになって欲しいとか、良い体験をして欲しいという考えはなく、今いくら稼ぐかが大切。
日本語が通じる安心旅行会社シゲタトラベルより、具体例を教えていただきました。デリー駅から徒歩で行けます。困る前にシゲタトラベルへ。
行きたいお店と違う気配を感じたら、ガイドブックやインターネットで外観を確認したり、自分でお店に電話をしてみましょう。
電話で確認しようとすると「電話番号が変わった」「お店が移転した」「休み」など、いろいろ言って邪魔をしてくるかもしれません。
そもそも電話をさせないなんておかしいと思いませんか?
お願いもしていないのに道端で声をかけてくる人、無理に仲良くなろうとする人、優しくしたがる人。
何かを求めている可能性が高いです。
怪しい気配を察すると「ぼくが電話で確認してあげる」と言ってくるかもしれません。
やさしさではなく、本当に確認しているのか言葉がわからないことを理解していて、ただ仲間に電話して、ごまかしているだけ。
電話は自分でかけましょう。
騙そうとしてきた人に、騙しやすい人の特徴、なぜ日本人を狙うのかを聞いてみました。
インドで体験する嫌な経験は、ボッタクリ、嘘をつく、セクハラがほとんどだと思います。
有名観光地で、頻繁に声をかけられることで、インドが嫌になってしまう人もいます。
デリー駅付近では、地方から出てきたインド人もよく狙われるのだとか。
AROUND INDIAも、はじめてデリーやジャイプールへ行ったとき、ケララと違ってみんなが笑ってないことに驚きました。
金額交渉も面倒くさいし、そもそもどうして騙そうとしてくるの?と当惑しました。
声をかけてくるのが、そんな人たちなので、そんな人ばっかりに思えてしまうかもしれませんが、本当はそうじゃない人の方が多いのです。
命に関わるような危険は比較的少ない国です。
海外旅行保険に加入して、簡単に信じないように気をつけながら、楽しい旅をしてください♩