『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』
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小田原のTea Factory如春園さんからお借りしてきた、「泣いて笑ってスリランカ」を読みました。
新聞社で働いていた著者 末広美津代さん(通称:ミツさん)が、「紅茶を徹底的に知りたい」と仕事を辞めて、1年間の紅茶修行にスリランカへと向かう、本当のお話です。
世界中に有名な紅茶の産地はあれど、なぜスリランカに向かうのか?!
その答えは、スリランカの環境にありました。
北海道よりも小さな国土に、標高差、雨季・乾季などの影響により、ほぼ全てのタイプの茶葉が取れるんですって。
ミツさんは、紅茶を学ぶために、各産地の収穫シーズンに合わせて住まいを移していきます。
当時、まだ内戦中にあるスリランカ。
情報が少なく、安全かどうかも測りかねる状況で、人とのつながりや、持ち前のバイタリティーで、次々と経験を深めていくのです。
滞在先は、コロンボ、ヌワラエリヤ、キャンディ、ウバ、マウント・ラビニア、ディンブラ、ルフナ。
すごいのが、ミツさんの下宿先。
仏教徒のシンハラ人、ベジタリアンのタミル人、イスラム教徒の村長さん、キリスト教の修道院と、スリランカを凝縮したような多様さ!
宗教や文化、食べているものがちがえど、みんな紅茶を飲んでいる。
「与えられた自然を変えるわけにはいかない」
と、地の利がなくても、環境のせいにせず努力する農園主。
宗教間・人種間・身分と大きな隔たりがある暮らしのなかで、
「人にはそれぞれ信じるものがある。それが違うだけ。お互いのことを知らなければ何も始まらない」
と四宗教の生徒を受け入れて、そのすべての宗教のお祈りを取り入れているというイスラム教徒の保育園長さん。
ミツさんが出会ったひとびとがまた魅力的なのです。
スリランカの紅茶といえば、AROUND INDIAにとって「不思議〜」な味だったのが、薬草を教わりに伺った家庭でいただいたミルクティー。なんとミロが入っていました。
お世話になっていたおうちに帰宅して、ミロティーの話をすると
「そんなもの入れないわよー」「おいしくなさそう」
と言われたので、薬草のご家庭独自のものかと思っていたのです。
でも「泣いて笑ってスリランカ」を読んで、実は流行した飲み物だったとわかりました。
紅茶のことだけでなく、スリランカの人々や暮らしのこと、内戦時代のことも知ることができて、すごくおもしろかったです。
ミツさんが帰国後立ち上げたのが、スリランカの紅茶専門店 MITSUTEA。
AROUND INDIAは、本で紹介されていた
「ルフナの紅茶に、少し砂糖を加えるとほのかな苦味が生まれ、コーヒーを思わせる味になる」
を試してみたくなったので、読了後すぐに注文しちゃいました。
甘味を加えることで苦味が生まれるなんて、おもしろいですよね。アーユルヴェーダでは苦味の強い煎じ薬には、甘味を足して和らげるのです。
いまは到着を楽しみに待っているところです。