『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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インドは植民地化されていた歴史があるので、イギリス・フランス・ポルトガルなど、西洋文化とインド文化が溶け合う姿も魅力のひとつ。
今回AROUND INDIAが訪れたのは、インド西海岸に位置するゴア Goa。
古くからのパン屋さんの記事を読み、その窯で焼かれたパンを食べてみたい!パン文化を覗いてみたい!とやってきました。
長い間ポルトガル領だったゴアは、キリスト教徒が多く、インドでは珍しい豚肉料理(ポークヴィンダルー)も名物。内陸部には、少数部族も多数暮らす小さな州です。
ゴアに到着すると、美しい教会、十字架モチーフ、上下セットのミニ丈のドレスを来ている女性など、他のインドでは見たことのない光景に出会いました。
宿を出てぷらぷら歩いていたら、店先で食事をするご家族を発見。
おぉ、パンとカレーを組み合わせています!
やってきた自転車の人は、配達に来たパン屋さん。期待がもてます。
その古い記事の情報では、お店の名前しかわかりません。住所も連絡先もなく、ありそうな場所を探ってみることにしました。
滞在している宿の付近は、小道が入り組んでいて、オートリキシャもタクシーも走っていないため、スクータータイプのバイクを借りました。
ゴアではバイクに乗っている人がいっぱい。1日から気軽に借りられて、ノーヘルで走っている外国人もいっぱい。
ただ検問が多いそうなので、町へ行くときはヘルメット必携とのこと。
ゴアは、思ったよりも広い!宿からベーカリーの方へは、バイクで1時間半ほどかかりました。
人に聞きながら、なんとなくの場所まで到着。
「そこのベーカリーのことじゃない?」と言われたお店に行ってみると違うお店。
商店の店員さんやお客さん、道を歩いている人たちにも尋ねてみましたが、知らないと言います…。
商店にバイクを駐めさせてもらって、歩いて探すことに。
直射日光がジリジリと照りつけています。
「ありそうなんだけどなぁ、どこかなぁ」と諦めきれずにさまよっていると、気になる建物を発見!!
中を覗いてみると、パン!!発見です!ぜんぜんパン屋さんぽくないイメージ。
一日三回焼くそうなのですが、今日はもう薪窯の火は落としてしまっていて「本日分のパンは焼きあがってしまった」とのこと。一足遅かったです。
クッキーなどを購入して、明日の朝、改めてお邪魔させてもらうことになりました。
ゴアの朝は寒かったです。
震えながらバイクを走らせていたら、パン売りに出会いました。この辺りに配達しているそうです。
早朝に、できたてのパンを自宅や宿に配達してもらえるのっていいですね!
独特な音を鳴らしながら売り回る姿は、さながら昔のお豆腐屋さんのよう。
ドーナツのような輪っかのパンはKankon、コンカン地方の言葉でブレスレットを意味するそうですよ。
さて、またバイクを走らせて、昨日の昔ながらのパン屋さん(Poder)へやってきました。
ふわっと気持ちの良さそうな生地がこね上がっていました。
窯にも火が入っています。
まずは、ひとりで成形を開始。
もうひとりは、まずはチャイ。
続いて2人で、リズミカルに、黙々と成形。
職人さんたちは、カジュアルな服に裸足といういでたち。
裸足は”インドあるある”なのですが、見るとなんだか楽しくなります。
同じ生地から、丸パン(ポイ Poee/Poi)、長細パン、ちぎりパン(パオ Pão) 、など形を変えて続々と生まれていきました。
パンの名前は、ムネ、オーダーで作るものも。
発酵は、藁マットや麻袋で包むように。
発酵が終わると、焼きの作業に入ります。
炭火も落ち着いていました。
焼きの作業も、餅つきを思わせるような、見事な連携プレー!
焼き時間は15分。
焼き上がったパンは、マットの上に。粉をはたき落とし、選別して籠に放り込まれます。
しっかりとした歯ごたえのあるパンなので、焼き立てだって、ちょっとしたことでは型くずれなんてしないのです。
ですが、この固さこそが重要なようです!インドカレー伝 (河出文庫) によると、
十六世紀のヨーロッパ人にとって、小麦粉のパンは宗教的に絶大な意味をもつものだったのだ。このパンだけが、ミサをあげる際に使える唯一のもの
イースト菌が手に入らなかったため、ゴアの料理人は工夫を凝らし、トディー(ヤシの樹液からできたアルコール)を使って生地を発酵させてみごとに成功させた
ムンバイ名物パオバジに使われているのとそっくりなパンもありました。名前も同じパオです。
Times of Indiaの「Goans love affair with Pao and breads」によると、ムンバイで一番はじめにできたベーカリーはゴア人によるものだったのだそう。
▼動画もどうぞ▼
ひとりのスタッフが、出来上がったパンを大きなかごにいっぱいに詰めて、自転車で売りに出かけていきました。
このパン屋さんは、1928年、ひいおじいさんが始めたと言います。
なじみのご近所さんたちがやってきて、朝ごはんのパンを大量に買っていきます。
このようなパン屋さんが、地域ごとにあるそうです。
とても楽しいベーカリーでの時間でした。
さて、今度はパンを食べてみましょう。PanajiにあるVeniteに行ってみました。
人気のありそうなお店発見!Sheetal Pure Veg Restaurant。
多くの人がパンを食べていました。
Bunsを頼んでみると、おいしいー!!
中が黄色くて甘くて柔らかくて、ちょっとスパイシー。一口一口大切に食べました。
ちぎりパンが目に入った食堂。いわゆる普通の食堂にも、しっかりパンがあるのがゴアらしい。
Madgao駅の食堂でも、例の黄色い甘いパンを発見。AROUND INDIAが大好きな味!!
下敷きになっているタピオカのワダもおいしかった。駅の何気ない食堂でおいしいのって、旅の醍醐味です。
銀座のバンゲラスキッチンのシェフに伺うと、この黄色いパンと同じものが食べられるとのことでした。試してみたいです!
スーパーマーケットにも、様々なパンが並んでいました。品揃え抜群!
ロシア人が多いのでロシア系ベーカリーアイテムもあって楽しい。
結論:ゴアはパンがいっぱい!!