『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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先日バラをテーマにしたアーユルヴェーダ講座で、ローズウォーターやバラのジャム「グルカンド」を作りたいと思いました。
肌に塗ったり、口に入れるものに、食物用として考えられていない農薬を使ったものは危険。
さらに「バラは肥料や農薬をたくさん必要とする」というのが、バラ栽培の常識だと聞いていたので、無農薬のバラを探すことは困難だと思われました。
探してみると、無農薬のバラの花びらはドライばかり。探しているうちに、発見したのが秋田のローズウォーター!無農薬のバラで作られていますが、花びらは販売していないとのこと。
さらに調査を進めると、なんとAROUND INDIAのご近所に、無農薬のバラ、しかも食べることを目的として生産している横田園芸を見つけることができました!ホームページには、わたしが感じていたことが書かれていました。
むかしむかし、化学肥料も化学農薬もない時代。そんな時代でも野菜は育ったし、バラも咲いていた。
それを考えれば何も難しくない。
答えは簡単、戻ればよい。
昔から使われてきた、ローズウォーターやローズオイル。
ヨーロッパでも、お薬として使われてきたバラ。
たっぷり肥料を与えて、農薬を使って育ててきたとは思えなかったのです。
横田園芸は、神奈川県・平塚北部の緑豊かな場所にありました。
元々は、結婚式用の美しいバラを育てていたという横田さん。
肥料をたっぷり与えて、農薬をしっかり使って、美しく咲いたバラを、東京の結婚式場に卸していたそうです。新郎新婦・テーブルなどを華やかに彩っていました。
湧いてきた疑問「継いで欲しいと思える仕事であるか?」バラの美しさの裏にある、大量の薬に違和感を感じるようになっていたのだそう。
そんなとき、東北の震災がおき、日本中でお祝いは自粛ムードに。結婚式は、半年もの間なかったのだそうです。
横田さんは、まだ少し先と考えていた方向転換を、前倒しして行うことに決め、そこからは自然と仲良くする方法で、バラの栽培をはじめたのだそう。
この日は、台風接近中の曇り空。
ビニールハウスにお邪魔すると、バラの根本には、たくさんの草が生えていました。草の中には、バラには良くない虫から、バラを守る虫が住んでいます。
草が高くなりすぎるとバラの光合成を妨げてしまうため、長い草はとります。
後から作ったもう一つのビニールハウスでは、風の影響が少ない面は網戸になっていて、温度も虫も、さらに外の環境と近いです。
すると、そちらのバラの方が元気で、さらにたくさん咲くという結果に。
この場所に植えたら、どう育つかな?
どの場所が一番適しているかな?
そんな風に、手はかけすぎず、目をかけて、10年経った今も、日々絶妙なバランスを探し続けているのでした。
育てているバラは4種類。
濃いピンク:イブピアッチェ
白:フェアビアンカ
ムラサキ:ブルーリバー
オレンジ:花菜ローズ
一つずつ、香りをかぎました。
次は、一つずつ、味を見ました。
これまでAROUND INDIAは、バラのお菓子や飲み物は苦手でした。
花の香りが強すぎて、味を壊しているような感じがしていたから。
でも花びらは、全然そんな味ではなく、ほんの少し甘かったり、フルーツのようだったり、苦みがあったり、軽い渋みを感じたり、爽やかさを感じたり。
サラダに乗せてもいいでしょうね。
ちなみに、写真左(白)から右に向かうにつれて苦味が増します。
味も香りも、この4種類から、これだけの差を感じることができるなんて!
横田さんの畑は、土がふかふかでした。
土の中にいる生物たちが、踏まれて潰されても、また戻してくれるんですって
ご近所のお薬で育てている畑は、カラカラに乾いてカチカチになっていました。
雑草は生えていないのですが、野菜は同じくらいのサイズで同じサイズで美しく整列して、たくさん育っていました。
季節に合ったものを、手助けしながら自由に育てる。
すると、ナスもズッキーニもこんなに育つの!?と驚いてしまうほど元気に。
ズッキーニは、自然のカーブを描き、産毛がふさふさでチクチクして痛いほど。そのまま生でかじってもおいしい♩
ひょっとしたら、数値で見ると、栄養は普通のズッキーニと同じように出るかもしれません。
でも測れないものも大切。
自分にとって心地いいもの、おいしそうだと思うものを選んで、心にも栄養をいっぱいあげましょう。
生のバラは販売されていませんが、バラジャムやお野菜のご購入については、横田園芸のホームページでチェックしてくださいね。
氷砂糖でイブピアッチェのグルカンド(アーユルヴェーダのバラジャム)と、フェアビアンカ・ブルーリバー・花菜ローズ 3種のバラを使って、インド・ケララの少数民族はちみつ漬けを作りました。
おいしくできますように。
アーユルヴェーダ的バラの使いかたに関する、講座やワークショップの模様です。
【終了】2019年 6〜8月 AROUND INDIA・YAJコラボ講座 vol.3|東京・西荻窪
【終了】9月16日 Ayurveda with AROUND INDIA & 鹿島ワーラー vol.1 Rose編|東京・日本橋