
『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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2026年2月6日に公開した『ツーリストファミリー』は、スリランカから密航してインドにやってきた移民のお話。
スリランカにリゾートのようなイメージをお持ちの方にとっては、違和感がある設定かもしれませんね。
映画を観る前に知っておきたい背景を少々。
スリランカには、仏教徒のシンハラ人(約7割)、ヒンドゥー教徒のタミル人、そしてイスラム教徒やキリスト教徒が住んでいて、1980年代〜2008年までシンハラ人とタミル人の間で戦いが起こり、大勢が命を落としました。
それ以外に、津波、コロナ、テロ、デフォルト(債務不履行)、洪水など、多くの困難が襲い、世界銀行の報告(2025年)によると貧困率は24.5%にものぼります。
AROUND INDIAが教わったタミル人の伝統医学シッダの先生は、インドのタミルナドゥー州を拠点に、スリランカ、シンガポール、マレーシアのタミル人を対象に治療されていました。
スリランカの中にも、古代から住んでいるタミル人と、後に労働者として連れて来られたタミル人がいて、内戦が終わってからもその生活は苦しく、インドのタミルナドゥー州には多くの難民キャンプがあるそうです。
また、古代にスリランカに移り住んだタミル人は、言葉が古めかしかったり、チェンナイの現代食よりも手間をかけた料理を作るなど、古い文化が残っているのだそうです。
嗜好品の違いもあり、チェンナイはフィルターコーヒーをよく飲み、スリランカタミルはミルクティーをよく飲みます。
パラカッドは、タミルナドゥ州に隣接したケララ州にある町で、コーラ厶を描いたり、逃れてきたタミルブラーミンが定住していたり、食べ物もタミルっぽさが混ざっている土地でした。そこの言葉はマラヤラム語ですが、訛りやボキャブラリーにタミル語が混ざっているそうです。
ケララ州とタミルナドゥ州は隣接していますが、言葉も食べ物もお祭りも違います。ケララの有名なお祭りはOnamで、白い伝統衣装や花で描く床絵が有名です。
映画のお話に戻りましょう。
経済的に厳しい状況に陥ったスリランカ在住タミル人一家が、チェンナイに住む義兄を頼ってインドに辿り着きます。
これからどんな生活が待っているのか⋯⋯。
すると上陸直後、警察に捕まってしまいます!
機転の利いた方法と、警官の人情でその状況を切り抜け、ラーメシュワラムから北上してチェンナイへ向かいます。(出発地は予想です)
義兄が探しておいてくれた居候先。その場で判明した大家さんの職業は警察官!
義兄は、一家が密入国したスリランカ人であることがバレないように、チェンナイの「言葉を覚えるまでは他人と話さないように」と念を押します。
でもこの愛おしく純粋なファミリーは、義兄が思うようには暮らせません。
どんどんどんどん知り合いを作っていってしまうのです。
それでも順調には行きません。そもそも家族全員がスリランカでの生活から逃れたかったわけではなく、
それぞれの葛藤や未来への希望、思いやりが錯綜し衝突します。
その場面では、くだらない笑いって大切だなと思わせてくれました。
全体を通して、お調子者の次男のキャラが最高!ケララ人のふりをする場面もお気に入りです。
詳しくは映画でご覧いただきたいのですが、見知らぬ誰かに対しても素直に声をかける。そんな小さなことが、世の中をよくするヒントなのかもしれないと思いました。観にいってよかったです。
映画「ツーリストファミリー」公式ページ https://spaceboxjapan.jp/touristfamily
劇場情報 https://usaginoie.jp/theater/?id=touristfamily
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