『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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日本でもインドでも、ヨガをしている人が増えました。
今やヨガ人口は、世界の3億人にものぼるそう。
インドのモディ首相もヨガ実践者として知られていることもあり、「インド人は全員ヨガをしている」というイメージも根強いようです。
でも、このドキュメンタリー映画『聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅』をご覧になると、そのイメージはがらりと変わるはず!
ドイツ人監督が、奥様が学んだパタビジョイス派というヨガを体験したことから、
「この動的なヨガのポーズ(アーサナ)は、どこが起源なのだろうか?」
と、そのルーツを探る旅に出るのです。出かけた先は、南インド・カルナータカ州。
パタビジョイスの師である、現代ヨガの祖クリシュナマチャリアの故郷ムチュクンテからはじまります。
クリシュナマチャリア師は、1930年代に現代ヨガの基盤を作った方。
インド→西洋→世界へと広まったヨガ。この流れのヨガをしている皆さんにとっては、ルーツと言える先生です。
クリシュナマチャリア師の高名な弟子パタビジョイス、多くの出版物でも知られる義弟アイアンガー、そして子供たちを訪ね、どのように指導を受けたのか、どのように広まっていったのかなど紐解いていきます。
訪れたパタビジョイスの道場も、アイアンガーの道場でも、自ら精力的に指導をされていて、西洋人をメインに混み合っています。
今やヨガスタジオで、男女一緒にヨガをする。その姿は、容易に想像できますよね?
でも、クリシュナマチャリヤ師が行っていた1930年代当時は、ヨガを知っている人は、少数の年配の人や僧侶だけだったのだそう!
今から90年前のこと。
インドから何千年もずっと続いてきたヨガも、一般のものではなかったのです。
監督自ら、それぞれの指導を受けます。
弟子のアイアンガーは義理の兄であるクリシュナマチャリア師に、マラリヤ・腸チフス・肺結核を治してもらったことがヨガをはじめたそう。
やはりその当時でも、インド人にとってヨガは異質な存在で、心に問題を抱えた人が行うものだと思われていたと言います。
ヨガの実演を見た人が、曲芸と評することもあったそうなのですが、AROUND INDIAは、ちょっと仕方がないと思いました。
だってやっぱり、時おり挟まれるモノクロのヨガ実践映像は、そう思われても仕方がない動きなのですから。
子供たちにも熱心に指導したクリシュナマチャリア師。
今も毎日ヨガを続けているという三女は、もう75歳。足の裏がふっくらしています。
大学生当時、ヨガをする家系だと知られたくなく、周囲には父の仕事を隠していたそう。
パタビジョイスとアイアンガーのヨガは、同じ師の元から派生していながら、異なります。
その理由が明らかにされることで、源流から支流が生まれる摂理のようなものが感じられました。
ヨガと運動の違いや、一般の人に受け入れられるようになるまでの苦難。
マイソールの宮殿が美しくライトアップされるきっかけを作ったマハラジャ(王)とヨガの関係。
インドの変貌と近代ヨガの歴史が見えてきます。
動きと呼吸をつなげ、ヨガにする。集中。
おうちヨガを行っている人も多いでしょう。ぜひそのルーツを覗いてみてくださいね。
ご視聴は「ヨーガの世界」を特集中の、アジアンドキュメンタリーズでどうぞ!
1作品から、オンラインで視聴できます。
4/17〜5/14まで、単品で視聴された料金をすべて、現在存続が危ぶまれるミニシアターに寄付されるそうです。
みなさんの視聴が、今後の文化を支えることに繋がります✨プロジェクト詳細はこちら
ヨーガの世界では、現代ヨガに対して、古代ヨガも知ることができるので、合わせて見るのがおすすめです。