
『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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はじめて鍼灸治療を受けたのは、2025年6月のことでした。
高校時代の事故でできた古傷が、昨年から痛み出しましたが、今は治って快適!
鍼灸については、その前月に別府で講義を受けるまでノータッチできていたので、新鮮でおもしろくてたまりません。
「日本の伝統医療は消えた」とか「日本の伝統医学だったものは、現代ではほとんど西洋医学に基づいている」とか「薬機法の関係で、昔ながらの方法は使えない」と聞いていたのですが、とんでもない。
昔ながらの治療方法も、そこから発展させた方法も、広きにわたりしっかりと根ざしていました。
今回ご紹介する本は「開業49年、10万人を診た鍼灸院院長」であり、積聚治療を提唱した小林詔司先生のご著書。
積聚、読めますか?
わたしは読めませんでしたが、しゃくじゅと読むんですって。
神宮前鍼療所 院長ブログによると、しゃくじゅの意味は
しょっちゅうお腹が痛くなる人を「癪(シャク)持ち」といいます。「癪」という字は日本語で漢字では「積」と書き、やまいだれがありません。時間がかかってできる婦人科の子宮筋腫とか卵巣膿腫のことでしょう。
同じくお腹にできる固まりで「聚(ジュウ)」というのがあります。これは周りから集まって固いものになったものをいいます。便秘でもなります。
神宮前鍼療所 院長のブログ
実際の積聚治療法については、本家 積聚会のウェブサイトからどうぞ。
積聚(しゃくじゅ)治療とは、簡単に言えば、お腹の診断に基づいて、背中に軽い鍼(はり)をするというものです。
積聚治療について | 積聚会
鍼は皮膚に接触する程度で、ほとんど痛みはありません。
積聚とはお腹の異状を意味します。
鍼と聞くと、縫い針、安全ピン、注射針をイメージして「コワい」とか「イタそう」と思う人は多いと思います。
しかし「鍼灸治療に使う鍼は、身近な針とは違う」ということや、「痛くない方法もある」ということが、『からだが不調なら 冷えをとりなさい いのちを支える東洋医学』の38ページを読めばきっと納得。

「膝の痛みを治したくて、プールでたくさん歩いているのに、なぜかよくならない」
「気圧の変化で調子が悪くなるから、薬が欠かせない」など、
良いと思っている習慣が、悪化させる原因だった……なんていうこともありがちですが、その理由や対処法も書いてあるので、心当たりがある方はぜひご一読ください。
また、153ページの「打撲の影響」は、インド伝統武術カラリの治療とも通じていますし、160ページの、歯槽にお灸をする治療法も興味深かったです!
アーユルヴェーダの考え方と共通する部分も、多く見受けられました。

小林詔司先生の語り口がやさしく、生活のヒントもいっぱい詰まった一冊。
残念ながら、先生は2022年にご逝去されたそうなのですが、積聚治療が受けられる治療院は全国に残されています。治療院リスト≫
治療法を学びたい方はこちら≫ 4年で、全体を学ぶことができるように構成されています。学ぶには、鍼灸学生もしくは鍼灸の免許が必要です。