『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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2014年に日本でも公開された「聖者たちの食卓」という映画で、インド北部にあるシク教の聖地 黄金寺院 / Golden templeが、無料のごはんを提供しているということで話題になりました。
毎日10万食という量!本当にすごかったです!ごはん作りに協力する人々、野菜を栽培するところから賄うという壮大さでした。
実は、インドでは無料のごはんを提供するシステムは広く見られます。
AROUND INDIAも、ヒンドゥー寺院やイスラムのお祭、見知らぬ人の結婚式など各地でご馳走になりました。
個人で行う人も多く、金曜日にモスクの近くやイスラム教のエリアへ行くと、道端に腰を下ろして列をなす人々の姿を見かけるかもしれません。
イスラム教の分け与える精神に則って、レストランのオーナーなどが無料でごはんを提供しているのでした。
毎週毎週です。持っている人が与え、持っていない人は受け取る。
無料だからと、すごい行列ができてしまうなんてことにはならないのだそうです。
AROUND INDIAが、アーユルヴェーダやカラリパヤットゥを学んだ ケララ州北部カンヌール(カヌール)にあるパラシニカダブ寺院も、無料でごはんをふるまっています。
テイヤムのひとつ、ムタパンを祀るヒンドゥー教のお寺です。
毎日毎日、無料でごはんが提供されています。
通常テイヤムは10月〜4月ごろのシーズン限定なのですが、パラシニカダブでは唯一通年行われています。
AROUND INDIAにとっては、ヒンドゥー寺院というよりも地元の神さま。参拝者の宗教や国籍は問いません。
イスラム教の友人が連れて行ってくれたこともありました。彼はパラシニカダブの息子さんとお友達だったので、VIPルームに通され、本殿での写真撮影も特別に許可してくださいました!
お寺にもVIPルームがあるのですね。
カンヌール(カヌール)市内からは、タクシーかオートリキシャを利用すると便利です。
地図で見ると近いですが、結構遠いです。
参拝中はドライバーに待機してもらいましょう。
時期によっては、オートリキシャで風に当たると寒いので、羽織れるものを持っていきましょう。
お寺エリアに入ると、参道の両脇にお土産屋さんが並びます。
いろんなサイズのムタパン像。額に入った絵。ムタパンソングが詰まったDVDやCD。ネックレスや財布など身につけるもの。車に飾るものなどなど。
ここでしか手に入らないものが多いです。
お寺の中に犬がいるのが、パラシニカダブの特徴のひとつです。
いまはカリユガという困難の多い時代にあるのですが、ムタパンはこのカリユガに生まれたヴィシュヌ神とシヴァ神の化身と考えられています。
偶像ではなく、生きる姿。
ムタパンは、犬を連れ狩猟をしていたので、弓を持っています。
寺院=菜食のイメージが強いですが、ムタパンは非菜食で、トディという椰子のお酒も、干し魚も出てきます。
一時期、寺院から犬を排除したら神さまが降りてこなかったことがあるため、いまはもう犬は安住の地を約束されました。
参拝前に、川で足を清めましょう。サンダルは、後で探しやすいよう、寺院の入口から少し離れたところに脱いでおきましょう。
以前は無かった柵ができてしまったのは残念ですが、それでもここから眺める早朝の風景はとても美しいです。
足を洗ったら、お寺の中でテイヤムをご覧ください。
儀式が執り行われ、音楽が演奏され、ムタパンが踊ります。かっこいいです。
AROUND INDIAは、テイヤムを一心に見つめる人々を眺めるのも好きです。
いかにここの人たちにとって、このムタパンが大切なのかが伝わってきます。
儀式に続いて、人々はムタパンの元へ集まります。
相談をするとお言葉をいただけるのです(現地のマラヤラム語です)。こちらからは、さっとお金(畳んだお札)をお渡しします。
境内など各所に設置されたOffering Box(お賽銭箱)にも、任意でお金を入れましょう。
パラシニカダブは参拝料がとても安いのです。
本殿内のテイヤムは本来撮影禁止なので、以前許可をいただいて撮影したときの写真をどうぞ。
参拝を終えたら、本殿から出て、参拝料を収めに行きましょう。
参拝料が明朗会計で、ものすごく安いのです。テイヤムを行ったり、ごはんを提供したり、お金がたくさんかかるにもかかわらず、安い参拝料で続けているのです。
そんなところもカンヌール(カヌール)の人々にとって誇りです。
メニューから「〇〇をいくつ」という風に伝えて支払います。たしか、最低2ルピーでした。
金額の大小を咎められることも、多く求められることもありません。
ほとんどの参拝料は、料理の提供に充てられているのだとか。巡礼者がお腹を空かせないようにとの心遣いです。
隣の部屋へ移動して、おさがり(プラサーダ)のチャイ、ワンパヤールという豆、ココナッツをいただきます。ココナッツは、パラシニカダブで割ったもの。
無料ごはんの会場は、入り口から本殿を正面に見て左奥にあります。
ごはんの時間まで、付近で待機。女性と男性は別々です。
スロープに列をなして、二階にある食堂へ。
自分でお皿を取って、料理をよそっていただいて、席につきます。
たくさんの人が食べられるよう、さっと食べましょう。
食堂では、男性・女性の席も別々。
食器は自分で洗って、返却場所に戻しましょう。カップはバケツの中へ入れます。
食事開始から返却まで、10分もかからなかったと思います。
帰りはスロープではなく、階段で降ります。
外に出たところで、カラリの師匠グルカルと再会できました。
カップルで行くときは、待ち合わせ場所をあらかじめ決めておくと安心ですね。
Enjoy!
名 称 | Parassinikkadavu Sree Muthappan Kshetram പറശ്ശിനിക്കടവ് ശ്രീ മുത്തപ്പൻ ക്ഷേത്രം Tripadvisor |
電 話 | +91 497 278 0722 |
時 間 | 24時間? テイヤムは早朝と夕方、近隣に巡礼者用の宿あり |
定休日 | なし? |
住所・地図 | Parassinikadavu 670563, India |