『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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2008年、アーユルヴェーダを学びに来た南インド・ケララ州カンヌール(カヌール)という町を歩いていたら「HOMEOPATHY ホメオパシー」という文字が目に入りました。
日本の初島が、常駐医師が不在のため、島民自らが応急処置にホメオパシーを活用して効果をあげているという噂を聞いていました。
インドでは、アーユルヴェーダ以外にも、ヨガ、ペルシャ系のユナニ医学、カラリパヤットゥ、シッダ医学、ナチュロパシーや、ホメオパシーといった代替医療も多く存在しています。
ホメオパシー薬局には、高い棚いっぱいに同じような瓶が並んでいました。
ちゃんとしたアーユルヴェーダ薬局の場合、医師が常駐していて問診を受けて処方してもらうものですが、ホメオパシーはどうなのでしょう?
買い方も、お薬の名前もわからないので、ひとまず退散。
ホメオパシーは、犬や子供に効くと聞きました。
大人と違って、先入観や意思でコントロールしない状態で効くのなら、本当に効果がありそうですよね。
ホメオパシーの基本を知るために、少し習いに行きました。
ホメオパシーの基本理念は、
「症状を起こすものは、その症状を取り去るものになる」という「同種の法則」
Like cures Like
熱を出したら冷たいもので冷やす(反対)のではなく、熱を出したら熱を出すもの(同じもの)を与えることによって、反発させる力を起こさせるそうなのです。
お薬はレメディと呼ばれています。
先生のお薬の手引書マテリアメディカは、まるで辞典のような厚みでした!
ホメオパシーで使う薬の多くは、小さな丸薬。
原料は、なんと砂糖粒!誰もが摂りやすいですね。
その砂糖粒の中に、成分を希釈し、振るという作業を繰り返し、数値として検出できないほどの成分が記憶されているのだそう。
さまざまなものが材料として使われ、コーラが入っているものもあるのだとか!
レメディは、舌の下において、ゆっくり溶かします。
処方する方をホメオパスと呼ぶそうです。
※インドでは、ホメオパシードクターとかホメオパシックドクターとも呼ぼれていました。
ある日、アーユルヴェーダ病院の院長先生から「その症状には、ホメオパシーが効くかもしれない」と、ご友人でありカンヌール(カヌール)で一番というホメオパシードクターの診療所 Manikkara Homoeo Clinicへ連れて行っていただきました。
ホメオパシーの診療所は、手前が薬局や待合席で、奥に診察室という造り。
Dr. Purushothamによるホメオパシーの問診は、アーユルヴェーダとほぼ同じでした。
自分の体の状態、生活、不調のはじまり、流れなどなど。
問診につづき、奥の診察台で触診。
それが終わると、処方箋を書いていただき、舌に液体のレメディを滴下されました。
帰国後の注文方法などを教わって、薬局へ移動して処方箋を渡します。
処方されたお薬は、全て砂糖玉のレメディでした。
飲み方やタイミングを丁寧に教えてもらいました。
インド伝統医学省AYUSHの最後のHはホメオパシーを意味しています。
インドでは近年ホメオパシードクター監修のドクターズコスメなどが増えてします。
一番見かけるのが、写真のDr Batra’s。全国チェーンのホメオパシークリニックです。
町中には、個人のホメオパシー専門薬局や、大きめの病院も見かけます。
小さなころからホメオパシーで治してきたという方にもお会いしました。
ちょうど、かかりつけ医の処方を受けてきたばかり。液体と錠剤のセット。
日本での医療としてのホメオパシーは、認定医・専門医リスト – 日本ホメオパシー医学会をチェックしてみてくださいね。
2018年、チベット医学の先生(アムチ)から「 ホメオパシーとは考え方が逆なので、(チベット医学の薬とは)組み合わせない方がいいだろう 」とアドバイスがありました。
アーユルヴェーダもチベット医学も、反対のものが癒やすという考え方。
ホメオパシーは、同じものが癒やすという考え方。
このように考え方が逆なので、ホメオパシーのお薬との併用については注意した方が良さそうです。
西洋医学についてはわからないので、担当医師に確認してみてくださいね。
インドのホメオパシードクターによるマテリア・メディカ、症状別に詳しく書かれた事典、入門におすすめされたニールズヤード、そしてレメディのキットです。