『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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コヴァーラムからトリヴァンドラム市内に向かう道中で、すごく気になる寺院を見かけました。
オートリキシャのドライバーに聞いてみると「パラシュラーマのお寺」とのこと。
パラシュラーマは、海に沈んでいたケララを陸に引き上げたという神話や、伝統武術カラリパヤットの始祖という説がある、ヴィシュヌ神の六番目の化身です。
Google mapに印をつけておいて、あらためて朝6時から行われるという噂のプージャ(儀式)を目指して行くことにしました。
翌朝、まだ暗い中、5時半にホテルを出発。
お寺の駐車場に着くと、続々とお寺に入る人たちの姿が見えました。中には既に大勢集まっているようでした。
「ひょっとしたら儀式がはじまっちゃっているかも!?」
わたしも急いでサンダルを脱いで中へ入りました。
(寺院は写真撮影は禁止です)
パラシュラーマ寺院の参拝方法がわからなかったので、近くにいた母娘に教えてもらいながら、一緒に本殿をお詣りしました。
その母娘によると、家族を亡くした方々が集まる寺院とのことで、一周忌などの折に儀式をお願いするのだそうです。先祖の魂の解放(モクシャ)を願うとも言っていました。
周りを見回すと、わたしたち一般参拝客とは明らかに異なる、白色のムンドゥー(腰布)を身につけた人々が行列で歩いていました。
今回儀式を受ける人々とのこと。
傘が役に立たないレベルの大雨になり、一般参拝客は本堂の壁際で身を寄せ合っていました。
「雨も激しいし、このまま何も起こらないのかなぁ?」
と不安になり始めたころ、儀式を受ける人々が向かいの一室へぞろぞろと入っていきました。
部屋に入るのは家族の中でも一部のようで、柵の外から覗いている人もいました。わたしも一緒に覗いてみると、細長い造りの部屋にみっちりと並んで床に腰を下ろしていました。
しばらくすると祭司(プジャリ)が誘導しながら儀式がはじまりました。
バナナの葉を敷き、クシャ草の指輪(Pavithram)をつけたり、マントラを唱えたり、お米、お花、ゴマ、水などをかけたりまとめたりしていました。
なかでもお米を一口大のおにぎりみたいにまとめて、ゴマをかけるのが印象的でした。
儀式のあと、カラスがお供え物を食べると、ご先祖が召し上がったという意味があるんですって。
雨季には盛大な儀式がおこなわれる日があるとのこと。動画でどうぞ。
わたしが訪れたときは、みなさんが座っている床の後ろに見える柵のある窓の部屋で行われていました。
この儀式の動画を見ていたら、はじめのケララに来た2008年の雨季、ビーチで行われている儀式を見に行ったことを思い出しました。
記録を確認したらKarkidaka Bali Tharpanam(別名 Vavu Bali)でした!画像はだいぶ粗いですがどうぞ。
トリヴァンドラムのパラシュラーマ寺院は、1000年ほど前に建てられたケララでも最古のお寺のひとつ。
パラシュラーマを祀る寺院はケララ州でこちらだけ。
パラシュラーマ寺院では日常的に行われていますが、ケララ全土における最大のVavu Baliは、Karkidaka Vavu Baliと呼ばれ 2024年は8月4日です。
その日は、ケララ各地でこのような光景が見られることでしょう。
雨季は観光シーズンではないですが、水が豊かで緑が濃いケララらしい風景を、静かに堪能できるすばらしい季節でもあるのです。
名称 | Parasurama Temple パラシュラーマ寺院 Tripadvisor|Google|Kerala tourism |
入場料 | 無料 |
住所 | Thiruvallam, Thiruvananthapuram, Kerala 695027 インド |