『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』
近日発売予定
衝撃的な話を聞いてしまいました。
アーユルヴェーダのシロダーラ/ Shirodharaという額にオイルを垂らすトリートメントで、オイルが使い回しされているというのです。。
まさか、そんなことする人いないでしょう?都市伝説的な噂でしょう?と信じたかったのですが、それを裏付けるようなお話が載っていました‥。
アーユルヴェーダで都内でも有名な店舗で数年前まで何年か働いていました。 この業界も初めてだったので、知識も技術も沢山学ばせて頂きましたが、何年たっ ても未だに疑問な事を質問させて下さい。 オイルの使い回しというのは、オイルを使うリラクゼーション業界では当たり前な事なのでしょうか? シロダーラに使用するオイルは、シャンプーなどをしてないお客様の頭に流し、減ってきたら新しいオイルを継ぎ足していくので、何十人というお客様のデトックスされた老廃物だけでなく、汗や皮脂などの汚れ、整髪料の溶け込んだオイルを他の方に使い回しています。
体に使うオイルも、オイルボールに手を入れて逐一塗布しますが、余れば継ぎ足し他の方に使います。 そのオイルも汗や洗っていない足の雑菌など(仮に水虫などの移る疾患を持っていてもオイルボールに手を入れているのでオイルには菌が入ると思います)もセラピストの手を通じてオイルボールには入ったオイルを使い回すという事です。
施術1人に対するオイルの量を考えると、使い回しをしないと利益が出ないかもしれません。 入社当初から疑問に思っていましたが、聞ける雰囲気ではなく、最終的にどうしてもそのオイルを触るのでさえも気持が悪くなってしまい退職しました。 他のオイルトリートメントの会社(シロダーラなど大量には使わない)働く友人からは、どんなにオイルが余ってしまっても、他のお客様に使い回しはしないと言われ、今働いている会社でもしません。
アーユルヴェーダのオイルは本場でも使い回しが普通なのでしょうか? そうだとしたら、いくら効果があっても私は受けたくないと思ってしまいますが、お客様の立場としても私は考えすぎなのでしょうか? オイルを使用する施術者の方、お客様の立場から、どちらもご回答を頂けるとうれしいです。
yahoo!知恵袋
読んでいて気持ち悪くなってしまいました。。
yahoo知恵袋での返答方法がよくわからないので、ここにAROUND INDIAの思いと、これからシロダーラを受ける方へのメッセージを書いておきたいと思います。
まず「本場では使い回しが普通なのでしょうか?」という疑問に対してのお答えです。
わたしが12年間本場で見てきたかぎり、インドやスリランカの病院・診療所で、シロダーラのオイルを他人間で使い回すことはありませんでした。
現地の病院や診療所では、オイルはお薬。
お薬は患者さんが良くなるために使うものです。
オイルの種類はひとつではなく、患者さんの症状に合わせて医師が処方したものを用います。
オイルだけでなく、生薬が溶け込んだ牛乳やバターミルクを使うこともあります。
みんな処方が異なるので、ある意味使い回しはありえないのです。
Swami Atmachaithanyaは、シロダーラとは「Treatment of pouring medicines over the head to cure diseases located above the neck 頭部に薬をかけて、首から上の病気を治療するトリートメント」と表現していました。
ただしインドのリゾート地にある外国人向けデイスパなどで、良くないオイルを使っている話などを聞いたことはあります。
インドで受けるなら、医師がいる施設がおすすめです。
シロダーラを受けたくなるのは、きっと、リラックスしたいとか、瞑想のような気分を味わいたいとか、何かしら良くなりたいと思っているときではないでしょうか?
良くなりたいときに、みずしらずの他人の(しかも数十人も!)、疲れている人や調子が悪い人たちを通したオイルを、自分の弱った頭に注がれるなんて‥なんだかまるで罰ゲームみたいです。
もし誰かが汚れた顔を洗った洗面器の湯で、あなたも顔を洗いなさいと言われたら「どうして、わざわざ汚れたお湯で洗わなくちゃいけないの?新しいきれいなお湯で洗いたい」と思いませんか?
そんなお湯で洗ったら、きれいになるどころか汚れてしまいます。
自分で選べるなら、わざわざ汚れたお湯を使うようなことはしませんよね。
しかも、使い回しはキケンだと思うのです。
わたしたちの頭の中には、大切な脳が入っていて、全身に指令を送っています。アーユルヴェーダでは、頭からお薬を与えるトリートメントが多数あります。
お薬ではなく、汚れたものを長時間かけ続けてしまったら、どんな影響を及ぼしてしまうことやら‥。
あるアーユルヴェーダ病院の院長は「ビジネスマンが病院を運営するのは良くない」と言いました。
メンツィカンのチベット医は「お金を目的にしたら、医師としての力を失う」と言いました。
代金はもちろん必要です。原料にも手間にも、先生の生活にも設備にも人件費にもかかりますから。
ただ一番の目的をお金にしてはならないという意味です。
オイルの使い回しは、良くなって欲しいという気持ちよりも、お金が優先されてしまっているとしか思えず悲しいです。
本人に限り、使い回しは可能です。本人、すなわち一人の人間に対してです。
それでも使い回し可能な割合が決められていて、本人であっても全量を使い回すことは禁止と教わりました。しっかりしています。
もしこの記事を読んでくださっているあなたが使い回ししているなら、お一人の方に限定して、次の現地の方法を参考にしていただけないでしょうか?
数千年続いてきたアーユルヴェーダが、これからも続いていくために。どうかお願いします。
毎回新しいオイルだと21リットルかかるところ、この方式だと12リットルで済みます。
使い回しOKであっても、汚れがひどい場合、例えば何か混入した場合は、新しいものに交換が必要です。
期間があく場合も、新しいオイルと違って汚れが変質する可能性があるので、使い回しを控えると安心です。
わたしが客だとしたら、安いのはうれしいです。
でも「安かろう悪かろう」ではなく、「質がいいのにお得」のお話です。
シロダーラは、マッサージよりもオイルをたくさん使います。
ケーララ(ケララ)のアーユルヴェーダの老舗Kottakal Ayurvedaでは最低1800mlとしています。
南インド・ケーララ(ケララ)の式のアーユルヴェーダでは、常にポットを動かし続けるため、シロダーラのときセラピストを増やせば人件費もアップします。
インドのように連続で7日間で受ける場合は、上でご紹介したように一部再利用できるので一回あたりのオイルコストは下げられますが、日本では一回だけ受ける方が多いので、どうしても高価なトリートメントにならざるをえないのです。
だから、もし私が客という立場だったら、極端に安いシロダーラは一番に選択肢から外します。
「価格設定は安くないけれど、使い回ししているケースもあるのでは?」とご指摘がありました。
うーん、さらに悲しい想像ではありますが、ありえない話ではありませんね。
その点も考えて対策するなら、こんな方法はいかがでしょうか?
気になるお店を発見したとしましょう。
シロダーラの料金は他店と同じくらいです。
その場合、予約時に「オイルは新しいものを使っていただけますか?実は、使い回しているお店があるという噂を聞いたので不安で‥」と伝えてみるというのは。
万が一、使い回しているお店だったとしても、質問することで、新しいオイルを使ってくれる可能性が高まると思います。
確実な方法ではないかもしれません。
でも、みなさんが良いシロダーラを受けられるように願っています🙏