『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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「地球上のあらゆる場所に人が住んでいて、みんな生き延びてきたということは、なんらかの治す方法や健康を保つ方法が存在している」アーユルヴェーダを学びはじめてから、そんなことが気になってなりません。
今後のインド旅でもっと深く覗けるようにと、最近いろいろお勉強しています。
先日は、漢方のお勉強で金沢へ行ってきました。
先生は、中国で医師となって臨床を積まれ、日本で教育に携わってこられた北陸大学の劉先生。中国の生活のことや、実際の臨床事例、病気に応じた漢方の選び方など、90分8コマの授業でご経験を通じたお話を様々な角度からの伺うことができました。
金沢のお薬の歴史を覗いてみましょう。
加賀藩の秘薬、すなわち「着労務間」「楽番」「鳥岸」の三味薬について、その調整販売を独占的に加賀藩から許された「中屋」・「福久屋」・「宮竹屋」(いわゆる薬種御三家)の薬舗主たちは、業務部焼町年寄)の有力メンパーとして、百万石の城下町金沢の商業と町民文化の発展に大きく貢献した。
タイトルを記録し忘れてしまったのですが図書館で借りた本に、
“領民の貧しさは病気に起因すると考えた利家は、典医に本草学者を加えて医薬を研究させる一方、民間薬も奨励している”
“三代藩主の綱紀が門外不出の三味薬を公開してからであろう。紫雪(救急薬)、鳥犀円(成人病薬)、万病円(滋養薬)の三方が、世にいう「加賀の秘薬」であった”
と書いてありました。
この本が書かれた時点ではまだ旧店舗で営業されていた中屋。その中屋のみが父子相伝で紫雪を作り続けていたのだそう。15代当主 彦十郎氏曰く
“でも麝香などはもう入手できませんから、紫雪はつくれなくなるでしょう”
とのことでした。
また、7. 加賀藩にゆかりのある史跡と産物(化学風土記 : わが街の化学史跡), 化学と教育(日吉 芳朗, 本浄 高治, 中西 孝), 1991, 39巻, 3号, p. 295-299に、
“1670年に五代藩主前田綱紀が、それまで門外不出であった飛躍を福久屋と中屋に、その後、宮竹屋にも調製販売を許可し、庶民の治療薬として使わせた”
“福久屋と中屋が存続している”
と1991年時点では存続していた福久屋もここ30年のうちにやめてしまわれたのだということがわかりました。
万病円は、耆婆万病円とも呼ぶそうです。耆婆はブッダの侍医であったアーユルヴェーダ医ジーワカ Jivakaを意味しています。
現在唯一残る中屋さんは、創業440年!金沢中心エリア香林坊で中屋彦十郎薬局として営業されています。
薬局とあわせて、徒歩5分ほどの場所にある金沢老舗記念館を訪問するのがおすすめです。
明治11年(1878)に建てられた中屋彦十郎薬局の旧店舗(中屋薬舗)の外観を残し、内部には藩政時代の面影を残す「みせ間」が復元されていて、当時の様子を偲ぶことができます。
事前にお電話で「店頭での直接相談」を予約してから、現在の薬局を訪問しました。
日曜日はお休みなのでご注意ください。訪問が難しい場合は、ネット相談、電話相談もあります。
ご相談についてや、気になる費用の目安については、以下のページで詳細をご覧いただけます▼
漢方ならではの問診票に記入した後、舌の写真を撮影して、気になる症状が起きているその理由と、どのようにアプローチすることで変化するのかなど、丁寧に相談しながら処方を組み立ててくださいました。
お薬は、エキス剤、煎じ薬、生薬を自分で煎じるなど、生活に合わせたお好みの方法を選択することができます。
わたしは味はおいしくなくても、手間がかかっても、煎じ薬でお願いしたいと思いました。アーユルヴェーダの場合、味もお薬のうちなので。
でも毎日コトコト1時間煎じるのは大変ですよね。そんな私のようなタイプに非常に助かるのが代行サービス。生薬にあわせた最適な方法で煎じ、真空パックに1回分ずつ包装したものを用意してくださいます(手数料 2200円)。
煎じ薬注文の流れ
診察→注文→見積り→支払い→煎じてパック詰めされたものが郵送で自宅に届く
飲む時は、パックのまま湯煎して1分ほど待って、コップにあけて飲みます。
出張など、湯煎がむずかしいときは、湯で割って飲んでもOKとのこと。
漢方をきっかけに初めて訪れた金沢は、親切な方ばかりでした。またのんびり伺いたいです。
金沢の前に受けた生薬の授業では、日本薬科大学の山路先生から生薬や中国から日本にきた歴史や文献などについて、そして今回劉先生の授業では基礎理論や調剤された方剤や主要な病気での使い方などを教わり、そして中屋彦十郎薬局さんでは問診票と舌を通して、保険適用外の生薬を組み合わせた煎じ薬をつくっていただくことができました。
店名 | 中屋彦十郎薬局 |
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電話 | 076-231-1301 |
定休日 | 日・祝日 |
時間 | 月~金曜日 9:00-18:00 土曜日 9:00-16:00 |
住所・アクセス | 石川県金沢市片町1-1-29 混元丹ビル1階 |