『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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アーユルヴェーダには、問診・視診・触診・尿/便・脈診・舌診などの診断法があります。
AROUND INDIAが最初に受けたのは、問診でした。
インドと日本を結んでの、オンラインチャット。
お会いしたこともないドクターと、顔が見えない状態で行われました。
問診の後、箱いっぱいのお薬がインドから届きました。
ほんの2ヶ月ほどで、長年付き合ってきたひどい生理痛も胃の調子も、あらゆるものが良くなりました。
それまで、日本でも病院で診てもらい、内診、血液検査、レントゲンなどで検査を受けました。
たくさんの機器を使って診てくださったお医者さまたち。胃は内科、生理は婦人科。
鎮痛剤を処方され、高校時代、完全に治すには子宮を取るしか無いと言われました。
その生理痛が、言葉だけで導き出されたお薬で良くなったことが不思議でなりませんでした。
カラリパヤットゥ の診療所も、問診と触診。
カンヌール(カヌール)で一番の ホメオパシー ドクターは、問診と触診の割合が9:1くらい。
インドで習うまで、脈は脈拍を測るくらいのものだと思っていたので、脈から診断することがとても神秘的に思えました。
クラスメイトは私を含めて三人。3本の指で脈を感じ取ります。
わたしたち三人のドーシャは、ヴァータ優勢・ピッタ優勢・カパ優勢と、それぞれまるで違ったので、差がわかりやすく夢中になりました。
脈診で有名なアーユルヴェーダの先生の診察も受けることができました。問診票に記入した後。1ヶ所からじっくりと聞き入るように。
シッダ医学の先生の脈診は、問診票も質問もなく、脈診からはじまりでした。
アーンドラ・プラデーシュの伝統医たちによる脈診も、脈を診た後に問診。このときは、広範囲に触れて脈を診ました。
チベット医学の脈診では、最初に不調を伝えました。その後、両手の脈を診ました。とても力強く、深く深くまで探るような方法でした。
伝えられた内容は、ケララの病院長による問診とほとんど同じでした。
[kanren id=”2152″ target=”_blank”]インド・ケララ州の少数民族の治療家による触診では、問診はなく、ささっと頭・胸・背中・胃などに触れました。ものの数十秒。
その流れで、手相も診ました。
少数民族のおばあちゃん先生にとって、日本人に会うのは初めて。それなのに、わたしの先祖の職業や性格なども語られ、どれも合っていました。
診断は、問診で受けた内容とほぼ同じです。
どの診察方法も、昔から変わらず、電気も機械も不要。
どこでもできます。ただ、誰もができるものではありません。
アーユルヴェーダや伝統医学は、人が重要。
診察方法はいろいろあっても、すごい先生方は基本的に同じ診断をくだされます。
複数の診察法を組み合わせることもあり、それぞれが得意な方法で、経験・歴史・知識という引き出しから診断/処方をくだされるのです。
AROUND INDIAの田村が、最初に処方されたアーユルヴェーダの薬は、オイル、薬酒、煎じ薬、丸薬などの組み合わせ。
ホメオパシーでは、水で割って飲む液体と下に乗せて溶かすタブレット。
シッダは、カプセルと粉。
少数民族のおばあちゃん先生はオイル。濃厚な薬草の香り!
こんな風に、お薬も形状は違えど、どれも材料は自然から。
わたしたちが診察を受けるときは、どんな時でしょうか?
きっと、今がどんな状況で、辛さの原因は何なのか?どうしたら良くなれるのか?
そんなことを知りたいからではないでしょうか?
ときどき、評判の良い先生の診察を巡っていて、治療や処方は受けていない方にお会いすると、ちょっともったいないなぁって思うのです。
「良くなる」ために診察を受けるのなら、その先の治療まで受けないと、目的が診察止まりになってしまっていると思うのです。
先生によって得意な診察方法があるように、お薬やトリートメントなど治療の方法も様々。
わたしは、どの方法が一番優れているということはないと思っています。
いろんな環境に住む私たちに、いろんな形で栄養が取れるように世界が作られているように、先生もお薬もいろんな形で存在していると思うのです。
目的が「良くなる」ことなら、どの診察方法でも、どの処方でもいいですよね。
診察の先にある、処方に従うかどうかは、わたしたちに選択肢があるのです。
良い先生に出会ったら、ぜひ処方にも従ってみてくださいね。