『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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わたしの人生には、ちょこちょこインドが登場してきました。
眉間にホクロがあるので、小学生のとき違う学年の子がパーッと走ってきて、わたしに触り「インド人に触ったー」と逃げていくなど、日本人でありながらインド人として差別を受けたこともありました。
高校生のとき、アルバイトをしていたお店の隣の隣にインド料理屋さんがありました。
ご飯が足りなくなると借りに行ったり、家族でお店に食べに行ったりして、いろいろおはなしするようになった初めてのインド人です。
後にケララ人だと判明しました。
アーユルヴェーダとの出会いは20代前半。
働いていた化粧品会社の新製品がアーユルヴェーダに基づいて作られていて研修に参加したのです。
その時はアーユルヴェーダという言葉よりも考え方が気になりました。開発した博士が「アーユルヴェーダについてもっと知りたい人には本を貸す」とおっしゃったので名乗り出ましたが、事務方のわたしよりも営業職の人が読む必要があると(当然ですね)後回しになり、そのまま流れてしまいました。
20代後半、独学でヨガをはじめました。ヨガをやる宗教団体による事件の影響で、外で習うのは怖い雰囲気がありました。今のように本もたくさんなかったので、古本屋さんで見つけた古びた本で、1人ではじめることにしました。
お天気も時間も場所も関係なく自分のペースでやれるヨガが向いていたようで、楽しくやっていました。
でもいつか1人の先生に習いたい!と願うようになりました。
ヨガをやるようになって、アーユルヴェーダという言葉をよく目にするようになりました。
そしてあるとき、アーユルヴェーダを何とかして習いたい。ちゃんと知りたいという気持ちが沸騰しました。
調べてみて驚いたのが、アーユルヴェーダをちゃんと習うとなるとセラピストに向けてのお勉強だったことです。
わたしにとってはアーユルヴェーダがマッサージというイメージは無く、これまで自分がセラピストになるということを考えたこともなく、マッサージを受けたこともなかったので、とても意外でした。
習い初めてすぐ、バリ島でアーユルヴェーダをフルコース受けてみました。
受けて感じてみないと、何をどうしていくのかがわからないからです。
Prana Spa プラーナスパ。とてもステキな空間でした。
そうして学びはじめたころ、インドのアーユルヴェーダ病院の院長先生のお薬の処方を受ける機会に恵まれました。
わたし以外の生徒さんや先生は、自分の不調や病気についていろいろお話していました。
でもわたしには病名がつくような不調がなかったので、処方を受けたいけど受ける理由がないと感じました。
アーユルヴェーダに限らず、健康にいいことは、病気の人がやるもの?と思いました。
でも、院長先生の問診を受け、いろんなことを話しているうちに、肩こりや生理痛といった西洋医学の病院ではただの不調や症状ととられるようなことが、アーユルヴェーダでは治すべき対象であることがわかりました。
そして問診で、今朝の尿の色であったり、いつからその症状がはじまったかなどを聞かれると、自分のことなのによくわからないことがあまりに多く、あえて見てこなかった、大切だと思っていなかったことが溢れていることに気づきました。
夫と2人で処方していただいたお薬は、大きな段ボール箱にギッシリ入っていました。
苦い液体、まずい粉薬、真っ黒なペースト、ギーという薬用バターなどいろいろです。
食前に飲むもの、食間に飲むもの、食後に飲むもの、寝る前に飲むもの、朝早くにやることなど、お薬を摂るにもルールがあります。
だからこそ、外食やお泊まりはしづらくなるので、体を治すことに集中します。
初潮のころからずっとひどい生理痛とのお付き合いが続いていました。痛みで気を失うこともありました。立っていられなくなることもしばしばあって、仕事も外出も辛いものでした。
病院のお薬も市販の一般の鎮痛薬も効かず、唯一ピリン系のセデス・ハイだけが痛みを消してくれました。でも、夕食後に飲んでも、夜中に痛みで目覚めてしまうので、いけないと思いつつ、寝る直前にも飲んでいました。
一回の生理で一箱消費するペース。その薬が無いととても辛いので、一年間ニュージーランドへ行くときは12箱持っていきました。
そんな生理痛を、ドクターは胃が原因だと言いました。処方された薬を飲んでみると、2ヶ月目には生理痛がなかったのです。
驚きました!でも、ありえないと思いました。だって、日本の病院で子宮を取らない限りなくなることはないから鎮痛薬を飲み続けるように言われていたのですから。
そのときは、一度でも痛み無く過ごせたことが幸せだと思いました。
すると!その翌月も翌々月も痛みがなかったのです。それ以来(2008年)ずっと、数回少し感じることはありましたが、生理痛から解放されています。
アーユルヴェーダは思っているよりずっと深いはず。もっともっと知りたいと思いました。
そしてその院長先生の元へ習いに行きました。