『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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インドには、おいしい/おいしくないは関係なく、体に良い食習慣がたくさんあります。
おじさん達も、調子が悪いと率先してお粥を食べるし、食後に食べるソーンフの中にもおいしくないものもたくさんあります。
とっても苦い枝で歯を磨いたりもします。
日本では不足しがちな、渋味・苦味・複雑な味を、体に良いからと積極的に摂ります。
古くからアーユルヴェーダが共にあるからなのでしょうね。
そんなアーユルヴェーダ的な習慣の一つ、南インド・ケララ州でよく飲まれているのが、この鮮やかなピンク色のドリンクです。
レストランよりも、町の食堂・お家・病院で出てきます。
とってもキレイなピンク色のため、初めて見ると「お酒!?」とか「ケミカルで体に良くないもの!?」と驚かれるのですが、自然発色のハーブティです。
染料としても用いられるPathimukham(パディムガム പതിമുഖം 、蘇芳、すおう)という木から色が出ます。
ピンクウォーターのPathimukhamは、現地でChukku vellam(チュック・ヴェッラム)と呼ばれることもあります。
本来ジンジャーウォーターという意味なのですが、アーユルヴェーダのハーブティー全体を指すこともあるそうですよ。
ケララは南国。でも、日常的に温かい物を飲む習慣があります。
これには、外国人だけでなく、他州から来たインド人も驚きます。
最近日本でも広がっている白湯ですが、ケララでは井戸水を利用することが多いので、沸かして白湯にするのは当たり前。
もしくは、沸かす以外のお水をきれいにする方法を使います。
伝統武術カラリパヤットゥ を習う子どもたちも、運動で喉が渇いた時、お湯を回し飲みしていました。
「最近は、真夏は冷蔵庫で冷やした水を飲むこともある」と師匠の奥様はおっしゃっていましたが、氷を入れた水は冷やしすぎるので好まれません。
※レストランではお湯は出てこないことが多いです。
現地でピンクウォーターの効能とされているのは、喉の渇きを癒すのはもちろん、血液の浄化、消化、糖尿病予防、肌の色艶、カパとピッタをバランスさせるなど。
南国気候なので、伝染性の病気や、食あたりなどを防ぐ意味もあり、よく飲まれています。
アーユルヴェーダ病院に滞在中、町でいろんな会社のピンクウォーターを買って試してみました。
部屋に入ってきた、ケララ人アーユルヴェーダセラピストから「何これ?どういうもの?」と聞かれてビックリ!!
ケララ人はみんな知っているものかと思っていました。
わたしは、現地の食堂やアーユルヴェーダリゾートで飲むことが多かったのですが、外食しない人も多く、飲まない家庭に育っていたら、知る機会はほとんどない…。
ケララ=みんなが知っているものではありませんでした。
田舎出身のセラピストは小さい頃から飲んでいたと言っていました。
今ではその病院でも、ピンクウォーターが提供されるようになりました。
やかん1つ分、2リットルほどの湯を沸かします
ピンクウォーターをひとつまみ入れます
さらに、1〜2分沸騰させます。すぐピンク色に変化します
木が硬いので、濾して飲みましょう
長く煮出す必要はなく、すぐきれいな色が出ますよ。
講座やワークショップでお見せすると、とても驚かれます。
白湯の代わりに、1日を通して飲んで構いません。
たくさん飲む場合は、あまり濃く煮出さずに薄めに飲むのがおすすめです。
インドだと、ケララ州なら商店やスーパーマーケットで売っています。
お店の壁にぶら下げられていることが多いです。
ケララ以外では入手困難ですが、ケララ人経営の商店などで入手可能です。
最近は自然派のお店で売られるようになってきています。
日本でも、ケララ人経営のレストランや食材店で手に入ることがあります。
下の写真は、日本で見つけた2種類。
ヨガの先生たちも、白湯の代わりにとピンクウォーターを取り入れてます。あなたの通うスタジオでもいただけるかも!?