『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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インドネシアの野生オランウータンが、薬草で自らを治療したという論文が発表されました。
戦いによって、口のなかと目の下に深い傷を負ってしまったオランウータン。目の下は肉がえぐれてしまって痛々しい。
でもその治療の腕と治癒力はすばらしく、負傷から8日ほどで傷は閉じ、およそ1ヶ月後には完治しているように見えます。
すごくきれいに治ってます!
手当方法は、薬草を噛み、葉を飲み込まずに出てきた汁を、指で傷口に塗る。(7分間)
その後、蝿が現れたそうです。
以前友人が、熱帯のバリ島でバイクで転んで膝を怪我して放置していたら、地元のおばあちゃんに「蝿が来てる。すぐ手当しないとウジが沸いて大変なことになる」と叱られたという話を思い出しました。
そこでオランウータン先生は、ペースト状にしたその葉で傷を覆いました。
さらに、葉っぱも食べていたそうです。
わたしが以前、インドで毒虫にやられたときにアーユルヴェーダ医から教えてもらった方法も、葉っぱのしぼり汁を塗布し、そしてその汁を飲むという、外と内の両方からのアプローチでした。そのときも、本当によく効きました。
オランウータン先生が選んだ薬草は「鎮痛、解熱、利尿作用があり、伝統医学では赤痢、糖尿病、マラリアなどさまざまな病気の治療に用いられているアカルクニン(Akar Kuning)」とのこと。
アカルクニンは、インド薬局方 Indian Materia Medicaにも記載されているFibraurea tinctoriaという植物。
科学的に分析すると、抗菌作用、抗炎症作用、抗真菌作用、抗酸化作用など、創の治癒にいい特性をもつということがわかるんですって。
どうやって、この最適な薬草を選んだのかなぁ?と思ったら、ナショナルジオグラフィックに、論文の筆頭著者でドイツにあるマックス・プランク動物行動研究所の霊長類学者のイザベル・ラウマー氏の意見として「子どもの頃に母親か別のオランウータンの行動を見て学んだ可能性もある。」と書いてありました。
お母さんも治療が得意だったのかな?
なんか、いいですね。