『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』
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スリランカ・アーユルヴェーダの旅①「リゾート編:Jetwing Ayurveda PavilionsでDr CTスキャンの診察」、スリランカ・アーユルヴェーダの旅②「リゾート編:Jetwing Ayurveda Pavilions滞在日数と部屋選び」の続きです。
いよいよスリランカに着いて、初めてのトリートメント。
この日は個室に滞在していたので、先程診察を受けた別棟に1時間後に来るように言われました。
トリートメント開始5分前に、緑のガウンと紙ショーツの姿で部屋を出ます。
こんな格好で外を歩くのは恥ずかしいですが、ここはリゾートだけれど、全員がトリートメントを受けに来ているアーユルヴェーダ施設と自分に言い聞かせ、足早にトリートメント棟へ向かいました。
一階まで降りて、右へ行って、塀を抜けると、右手に小さな小路がありました。
こんな道通ったかな?その次の道へ行くと、奥にヴィラのようなドアが並んでいるのが見えます。ここでもない?
敷地内で迷子です。
さきほど診察を受けた後は、チェックインに案内され、その後部屋へと案内されて、えー、だめだ。すっかり話に夢中になってて道順を頭に入れていませんでした。
プールへ行くと、トリートメントガウンを羽織った女性を発見!
「先程来たんですが、トリートメント棟の場所がわからなくなっちゃって。教えてもらえませんか?」と尋ねると、親切にアーユルヴェーダ棟まで案内してくれました。
ドイツの方で、「夕飯はみんなで食べているから、よかったら18時半にレストランにいらっしゃい」と誘ってもらいました。
トリートメント棟のAyurveda Niwasに無事到着。
わたしのトリートメント担当として紹介されたのは、ジャーヤンタ(Jayantha)さん。
セラピスト歴15年、Jetwing歴2年のシニアセラピストです。こちらに来る前は、他のホテルで13年セラピスをしていたそう。
AROUND INDIAは、5日間ずっとジャーヤンタさんでしたが、セラピストが変わっている方もいました。
初日と最終日以外は、トリートメントの前に15分程の診察があります。
今日の調子や、マッサージ後の変化などを話し、医師がそれによってセラピストへトリートメントの強度などの指示、食事や薬の変更などをアレンジします。
ヴィラの場合は、部屋まで医師とセラピストが出張してきてくれます。
タオルやオイルなどの一式が入った籠を抱えて、小路を行き来する姿を拝見するのが好きでした。
ジャーヤンタさんは、いつも施術前にお花やアムラの実など、ちょっとした自然の贈り物をくださいました。
気持ちがほわっとゆるんだところで、マッサージベッドに腰かけ、サンダルウッドの粉で足を洗ってもらうのです。
トリートメント内容は、人によって処方内容は異なりますが、AROUND INDIAの場合、オイルマッサージ、スチームのフレッシュハーブで作ったキリ(ピンダスウェダ)、ハーブパウダークレンジング(スリランカ版ウドワルタナ)、日によってシロダーラが行われました。
2時間15分みっちりトリートメント。
スリランカハーブのトリートメントは、スリランカでやってみたかったことの一つ。
写真で見るのと、受けるのとでは、感触も香りも終わった後の感じも、トリートメントの組みたても、想像と違ったので受けられてよかった!
パウダーは、緑色の日と、茶色の日がありました。
ある日、緑のパウダーまみれでトリートメントルームから出ると、そこにいた外国人カップルから「なにを受けたの?!カエルみたいに緑じゃない!」と驚かれました。笑
トリートメント棟のAyurveda Niwasでは、同時に複数のトリートメントが行われているので、他の人のトリートメントを想像できておもしろかったです。
衝立を隔てたところで行われているオイルマッサージは使用するオイルの香りが違っていたり、隣の部屋からはナスヤ(点鼻)が行われているような音が聞こえてきて、途中から香りもしたのでナスヤと確信!ジャーヤンタさんに答えあわせするというアーユルヴェーダクイズ。
Jetwing Ayurveda Pavilionsでは、シロダーラは2-3日の滞在の人は受けられないという噂を聞きました。
AROUND INDIAは5日プランだったからか、シロダーラも2回含まれていました。
6日滞在の方は「シロダーラ気持ちいいから、今日もお願いしたの」と言っていたので、希望も若干通るようです。
そうそう、セラピストは常に一人体制でした。
コラボ講座をさせていただいている伊藤武先生がおっしゃっていた「二人体制のオイルマッサージは、インドでアーユルヴェーダを再興させるときに、(ケーララ(ケララ)の伝統武術)カラリパヤットゥのマッサージを取り入れたから」というお話を思い出しました。
スリランカのアーユルヴェーダは仏教とともに渡ったことで、施術のルーツも違うのかもしれませんね。
(この後受けたすべての施設で、セラピスト一人体制でした。)
ジャーヤンタさんに、Jetwingのマッサージ指導について伺うと、なんとDr Dineshご本人が指導しているとのこと!
一般的に、医師とセラピストは別のことが多いので意外でした。
ジャーヤンタさんは、「長年マッサージをしてきたけれど、Dr Dineshから習って私のマッサージは全く別物になった」と、技術の高さを絶賛していました。
施術のなかで強いマッサージがありました。そのとき、強さが問題ないか確認されたので、
「痛いけど、その後良くなるでしょ?」と言うと、
「そうなの、痛みの後に取れるものがあるのよね。このコリには、こうしたら楽になるとわかってやっていても、痛い!とクレームになってしまって、最善と思うケアをしてあげらないことがあるの」と言っていました。
伝統武術カラリパヤットゥのマッサージでも、施術後にアザができることはあるのですが、数日で消え痛みもよく抜けるのです。
がむしゃらな痛いマッサージや、ただの揉み返しは困りますが、良くなるための痛みもあるというのが、むずかしいところです。
AROUND INDIAもきっと、カラリパヤットゥのマッサージを知らなかったら、今回の痛みは「イターイ!もっとソフトにやってー」とお願いしていたでしょう。
ジャーヤンタさんは、体を楽にしてあげたいという想いと、ソフトにせざるを得ないマッサージの合間で葛藤していました。
トリートメント後は、オイルやハーブパウダーが付いたままの状態で部屋に戻ります。
ハーブパウダーは30分、シロダーラの場合は1時間おいてからシャワーを浴びるように言われます。
オイルをなるべく長くつけておきたいからと、シャワーは夕食前まで入らないという方もいます。
AROUND INDIAは、シロダーラの後そのままにしていたら、
「もういいのよ、洗っちゃいなさい」と言われたこともありました。
シャワーまでの時間は、個室に滞在しているときはテラス、ヴィラのときは庭で過ごしていました。
プールサイドのベッドがお気に入りの方も。
ここはリゾートだから、のんびり過ごしたり、心地よく過ごすことを優先しているのでしょう。
パンチャカルマ中の方も、日光浴、水泳、昼寝などOK。
特にヨーロッパの方は「冬は太陽が少ないから、ここでたくさん吸収するの」と日光を楽しんでおられました。
つづく。