『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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インドは、アーユルヴェーダという伝統医学発祥の地です。インドから、ネパール、チベット、タイなどに広がり融合していった医学。
インドの中でも、南インド・ケーララ(ケララ)州は、アーユルヴェーダが当たり前のように日常に根付いている土地。
こちらはそのケーララ(ケララ)州北部カンヌール(カヌール)にあるAROUND INDIAが学んだアーユルヴェーダ総合病院です。
何科・何科と分かれているのではなく、外傷・内臓疾患・妊娠・精神的な悩みなど、あらゆる不調の患者さんが相談にやって来ます。
院長はお話し好きな方で、一人一人の患者さんにかかる時間が長めです。
でも、アーユルヴェーダではこの問診がとても大切。どこの病院でも同じようなものかと思っていたら、意外に話を聞いてくれないところもあるようです。
病院の待合室には、マラヤラム語と英語の新聞や雑誌が置いてありました。ケーララ(ケララ)州の識字率はインドの中で最も高く約100%です。
診察は、問診だけでなく、患者さんの足取りや話し方など、あらゆるものをヒントにして行われます。
患者さんの年齢も幅広く、赤ちゃんからお年寄りまでやってきます。
友達と来る人もいれば、小さな子どもからおじいさんまで、一家総出で他州からやってくる人も。
付き添いがいることが一般的なので、高校生の男の子が、友人二人と診察室まで入ってくる。そんな光景、日本ではあまり見られないですよね。
相談内容は、軽い不調、進行して手の施しようがない状態、腰や膝などの痛み、アトピーなどの皮膚疾患、定期検診、精神疾患など、さまざまです。
部屋数が少ないため、入院患者はほんの数名。ほとんどは通いでした。
病院内に、トリートメントルーム、井戸、お薬を作る部屋、薪を割る場所、授業を受ける部屋、住み込みセラピストたちの部屋などがありました。
院長先生、その下に数名のドクターが在籍しています。
学校を卒業したばかりで、インターンとして働くドクターもいました。
男女セラピストや、お薬づくりの先生が住み込みで働いていたり、毎日自宅から通う受付スタッフがいました。
ヒンドゥー教・イスラム教・キリスト教が入り混じっていました。
わたしにとっては、アーユルヴェーダを学ぶ環境として最高の場所でした。
病院だったので、実際の患者さんと触れあい、変化をみることができました。
習ったことをすぐに実践する場があって、実践しているセラピストの姿を見て、患者さんの生の声を聞くことができました。
習ったトリートメントがどういうものなのか、自分でパンチャカルマ治療を受けることで実感することができました。本から学んでいたわたしは、いつか一人の先生からヨガを習いたいという夢がありました。それも叶えることができました。
お薬の材料を知り、作る方を教えてもらうこともできました。
あらゆる角度でアーユルヴェーダを体験として入れることができた幸せな時間でした。
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