
『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
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『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
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血の写真が出てきます。苦手な方はお控えください。
世界遺産に認定されている古都バクタプルへ、瀉血を受けに行ってきました。
瀉血というのは、アーユルヴェーダのパンチャカルマ(5つの浄化療法)の一つでもあり、皮膚から体外に不要な血液を排出する方法です。
今回訪れたクリニックCupping & Manual Therapy (CMT) Pvt. Ltd.は、ユナニ医学の瀉血法ヒジャマ Hijama で有名です。
(アーユルヴェーダでは、瀉血療法はラクタモクシャ Rakta moksha)
Cupping & Manual Therapy (CMT) Pvt. Ltd.のDr Bhupal Gautamは、インドで3年間学び2013年に治療家となりました。
治療への熱意が強く「前回は、この治療法はなかった」「この器具もなかった、先生が開発したらしい」と連れて行ってくださったTCP(Tibetan Children Project)の千晶さんが驚くほどの速さの進化。
今では先生の治療を受けに、海外から他の治療家もみえるのだそうです。
「ヒジャマは、伝統的な浄化法で、体内から不要になった血液細胞などを排出します。」
ベッドが二つ並んだ、明るい施術室。
みんなの前でパンツ一丁で寝るのは、治療とはいえ少し照れます。
短いスカートの下着を身につけていたので、その格好で受けました。

適確かつ素早く施術部位を判断。
私の場合は冷えていた脚には、竹筒や銅製カップでの温めから始まりました。
うつ伏せなので、自分では何が行われているかわからなかったのですが、火がつけられていたとは。
熱くはなくて、引っ張られてる+暖かくなってくる感覚。

肩や腰は、皮膚をカップで吸引して、血液循環を高めるドライカッピングから。
引っ張られているだけなのに、これがなかなか痛い!こんなに引っ張ったら皮膚千切れちゃわないかしら?という見た目よりずっと引っ張られている感じが強くて、皮膚ってこんなに引っ張って大丈夫なのねと思ってました。

カップを外し、消毒液を塗理、針をプスプスッと刺し、またカップを乗せて吸引器でスポスポと圧をかけていくと……不要な血液が排出されます。これがウェットカッピング。
排出部位や人によって、血液の色やドロドロ感が違ってきます。

先生「あなた何食べたの?!」
どうしてそんなことを聞くのかと思ったら、カップが白く曇るほどガスが排出されていたのでした。前日からお腹にガスが溜まっていたことが、こんな形でバレるとは。
消化器官だけでなく皮膚や血管にまでガスが蔓延している。こうもまざまざと見せつけられると、食べるもの、消化力、食べきゃいけないなぁと嫌でも実感しますね。


こんなに血を抜いて大丈夫?と思われるかもしれませんが、先生が貧血にならないように判断しているので、全くフラフラもなくスッキリでしたよ。
もしウェットカッピングによる貧血が不安な方は、論文「The Effect of Wet Cupping on Blood Haemoglobin Level」(ウェットカッピングが血中ヘモグロビン値に及ぼす影響)によると、“ウェットカッピングは世界中で広く行われている施術ですが、副作用として貧血を引き起こす可能性があるという十分な証拠はありません。”と結論づけられています。
ただ、これは通常に行われた場合であり、きちんと見極められる先生であることや、受ける頻度は重要。
この論文によると“過去の症例報告では、週に数回など「過度に頻繁、かつ長期間」行われた場合に貧血を引き起こした例がある”と言っており、適切な頻度(この研究モデルでは少なくとも1ヶ月以上の間隔)にすることが大切です。
沖縄に行った時も、昔は家庭療法としてやっていたという話を聞きました。ブーブーと呼ぶそうです。日本でも身近なものだったのですね。
明治期以前の沖縄における瀉血をはじめ、アフリカ、インドのアーユルヴェーダ、チベット医学、中医学、ヨーロッパ、日本、インドネシアの瀉血事情などについては「沖縄における伝統的民俗医療資源の研究 ―瀉血・吸血に関する考察―林美枝子」が詳しいです。
沖縄では芭蕉の葉や、泡盛、竹筒や湯のみ茶碗、オオバコの葉などが使われていたことからも、あるもので行われてきたというのが伝わってきます。
2週間くらい痕が残るかなと思っていたのですが、意外に早く消えました。
施術を受けたのが22日。一度翌々日に写真を撮影。4日目には、ほぼ消えていました。
6日目の28日は、針痕のカサブタが残る程度。


痛み、血液量、痕の残り方などには、個人差があります。

単位はネパールルピー。2026年1月時点の料金です。
アーユルヴェーダの古典スシュルタサンヒターには、瀉血を受けた後の過ごし方として以下のように書かれています。無理せず過ごしましょう。
瀉血を受けた者は、体力が完全に回復するまで、あるいは一部の権威によれば1ヶ月間、
怒り、肉体労働、性交、昼間の睡眠、過度な会話、運動、乗馬や馬車での移動などを控え、あぐらをかくこと、頻繁な徘徊、寒さ、風や日光への曝露、消化しにくい、体に合わない、あるいは相性の悪い食物を避けるべきである。
| 店名 | Cupping & Manual Therapy (CMT) Pvt. Ltd. |
|---|---|
| 電話 | +97 79813123204 |
| 住所・アクセス | Kaushaltar – Balkot Rd, Bhaktapur 44600, Nepal |