『ケララ秘伝
暮らしのアーユルヴェーダ』
伊藤武・田村ゆみ共著
Amazon
『アーユルヴェーダと〇〇 vol.1 パンチャカルマ基本編』田村ゆみ著
オンラインストア
アーユルヴェーダを学びに行ったケララ州。
そこには、これまでいろんな人生を過ごしてきた人たちが集まってきていました。
大半が、20代後半〜40代の女性。
ある未婚の男性ドクターは、「若い女性がなぜ来ない!?」と不満げでした。笑
どうして、学生時代ではなく、20代後半〜40代になってケララ州まで来たのでしょうか?
どんな風にアーユルヴェーダに辿り着いたのでしょうか?
理由を聞いてみました。
20代後半〜40代という年齢は、ある程度歳を重ね、不調が出はじめたり、老化を感じたり、健康や将来に不安を持ったり、体や心の元気が気になるタイミングだからなのでした。
アーユルヴェーダ、ヨガ、 カラリパヤットゥ を学びに来た仲間たちの、ここに至るまでの経験を聞いたり、学びや治療で変化していくさまを近くで感じるのは、とても良い経験でした。
NGOでアフリカ・アジア・日本など世界各地に滞在し、小さな子どもたちを性犯罪から守る活動をしてきた女性に聞いたお話です。
あるアジアの国の男性たちは、純潔の女性に高い価値を見いだしています。小さければ小さいほど純潔である可能性は高まります…。そんな身勝手な理由から、10歳にも満たない子どもたちをお金で買うのだそうです。
また別のヨーロッパのある国では、いろんな国からお金持ちが秘密の場所に集まり、さらってきた若い女性に暴力で命を奪い、その様子をビデオに撮るのだそうです。
お金や地位を得た人々が、欲求を満たすためだけのお遊びとして…そんな世界があるのかと恐ろしくなりました。
お金に限らず、たくさん持っている時、どこまで欲求を満たす?
忘れずにいたいブレーキです。
患者として滞在していた、あるアジア人女性のお話です。
ひどいアトピーに悩まされ、毎年一回パンチャカルマというアーユルヴェーダの浄化療法を受けに来ていました。パンチャカルマで良くなるものの、劇的な改善には至らず、また翌年やってくるというのを続けていました。
その後、AYUNDIAが弟子入りした伝統武術 カラリパヤットゥ の療術を受け、とっても肌がキレイになった彼女は美容の道へ進みました。
重い病気の治療に来ていた、あるヨーロッパの女性のお話です。
彼女の親が、このままでは死んでしまうと思い、アーユルヴェーダの治療を手配しました。
治療を受ける体力もなかった彼女は、ゆっくり進めたり止めたり様子を見ながら、長い長い治療を受けました。
見違えるように元気になった彼女は、わたしのクラスメイトになりました。身をもって経験したアーユルヴェーダを、遂に学ぶほどになったのです!
毎日のように一緒に受けたヨガでは、骨や筋肉の形などハッキリわかるくらい変化したのです。
心や体が変化する日々、毎日が驚きの連続でした。
アーユルヴェーダとヨガを学びに来ていた、ある中米の女性のお話です。
念願のアメリカのアーユルヴェーダ施設で学びたかった彼女は、国にビザの発行を認めてもらえませんでした。
アメリカを諦め、インドに決めて、ビザをなんとか取得できました。でも今後また取得できるかどうかはわかりません。だから今このインドで学んでいる時間がとても大切なんだと言っていました。
日本人というだけで、ビザなしで多くの国に行けることや、ビザを取得しやすいことは、とても幸せなことなのだと実感しました。
彼女は、滞在中に病気に罹ってしまいました。クラスメイトとして一緒に勉強したり、お薬を作ったり、ヨガをしたりしながら、アーユルヴェーダの治療や、外部ラボでの検査を受けに行くなど、たくさんの時間を過ごしました。
アーユルヴェーダやカラリという伝統が色濃く残るケララ州であっても、伝統を現地で大切に続ける人もいれば、それを使って外国で働きたい人、ビジネスに利用したいだけの人もいます。
現地で出会ったドクターたちは、個性的。
保守的で高圧的な方、そうでないタイプの方(とても珍しいらしいです)、新人さん、とてもやる気のある方、虚勢を張る方などがいました。
セラピストも、多種多様です。
正に天職だと手から伝わる方々、集中力が切れやすい方、やる気はすばらしいけど別の仕事の方が向いていそうな方、すごくやさしい愛情あふれる方、やさし過ぎるために厳しくできない方、常に厳し過ぎる方、やりたくてやっているのではなく不満がいっぱいの方などなど。
出会う一人一人がまるで違うので、学びがたくさんあります。